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第二十二話 ページ22

あ、あともうちょい...!



さっき、男の人が手招きしていた角は目の前。



でも、そう遠くない距離からバタバタと足音が聞こえていてもう泣きそう。
心は折れてます。





よっし、角だ...!
ここを曲がるとっ...




「逃がすかよ!」


ひぃっ!!



すぐ後ろからそんな声が聞こえて、
泣く泣く振り返ると必死な黒尾様の顔と、
とても心配そうな顔をした赤葦様の顔が見えた。



えっ、赤葦さんはもしかして_____





そう思った時だった。




「んっ!?」


「しーっ。」


傍にある部屋から手が伸びてきて、私の腕を掴んだかと思ったら、
口を塞がれながら部屋に引きずり込まれる。



「静かにしないと見つかっちゃうべ。」



その人は急いで扉を閉めてから、胸に私を抱く。




...え、なに、これ、どういう状況?




状況は全く整理出来ていなかった。





「...早、ったくどこ行ったんだ?」


「黒尾さんが怖い顔して追いかけるからですよ。全く。」


「どういう意味ですか赤葦クン。」


「ほら、恐ろしい怪物とかに追いかけられた時のあれですよ。あのパワーで。」


「俺人間なんだけど?」




外からは赤葦様と黒尾様の会話が聞こえてきて、
私の心臓はどくんどくんと素早く鳴る。





「...大丈夫だよ。」


「...っ...」




一層抱きしめる力が強くなって、
なだめてくれるその人の息が耳や首にかかる。

とってもくすぐったい。
はっきり言ってこの状況もやばいと思います。




「チッ...しゃーねぇ、俺今日は帰るわ。」


「そうですか。...俺はあっちの方も探してから。」



外からそんな会話が聞こえて、ホッと胸をなでおろす。



「なに、さっきの子がそんなに心配なの?」

ニヤけた黒尾様の顔が分かるように弾んだ声。


「はい、着物もはだけてましたし。
アンタみたいな獣に何かされないか心配です。」


クククっと黒尾様の笑い声が聞こえる。



あぁ、もしかしてとは思ってたけど、やっぱり赤葦さんは
私を助けてくださるために声をかけてくださったんだな。


疑問が確信に変わり、
新たな疑問が生まれながらもちょっと嬉しいとか思ってしまった。

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作品ジャンル:アニメ
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- 黒尾鉄朗がっごいいいいい (2015年3月21日 9時) (レス) id: 6d17eb9fea (このIDを非表示/違反報告)
りっさん - 夜久さん素晴らしいです。グッジョブです!! (2015年3月18日 22時) (レス) id: 9319e60931 (このIDを非表示/違反報告)
- 第29話の三行目の黒尾様が__ってところ黒男様になっています!あ、これわざとでしたか??でも気になったので指摘してしまいました;;; (2015年3月15日 16時) (レス) id: 0fb612002d (このIDを非表示/違反報告)
星月夜(プロフ) - かよさん» 本当ですか!!?もうその一言だけで今胸がいっぱいになりました。ありがとうございます...! (2015年3月15日 11時) (レス) id: c4da7f23ba (このIDを非表示/違反報告)
星月夜(プロフ) - 7時さん» 嬉しいです...!ありがとうございます!!赤葦さんかっこいいですよね(笑) な、殴られました!?さらっと言ってますが大丈夫ですか!?(笑) 更新頑張ります!! (2015年3月15日 11時) (レス) id: c4da7f23ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星月夜 | 作成日時:2015年2月26日 12時

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