episode8 ページ9
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「……ねえ、リー。３人共、周りが見えてないのかしら？」
「アンジェリーナ、それはいつものことさ」
「ええ、そうね。アンジェリーナ、ああやってる３人の方が安心するわ」
「アリシア……なんか、お姉ちゃんみたいね」
「ふふ、Aのお姉ちゃんになれたら最高ね！……同じ歳なんだけど」
肩を竦めるアリシアにリーとアンジェリーナはクスクスとおかしそうに笑う。
３人は噂を気にしてはいない。
アンジェリーナとアリシアはAと話すまでは、信じていたが実際に話せば本当に何も知らない様子のAに、噂を気にしているのが馬鹿馬鹿しくなってしまった。
何よりも、Aと話すのは楽しかった。それは本心だ。
３人共、Aが平穏に学校生活を送れることを祈り、そうなるように接してあげたいと思っている友人だ。
きっとそれは変わらない、そうアンジェリーナは思っていた──
──────
生徒が寝静まった夜中。Aは魘されていた。
見知らぬ女性と男性が苦しむ姿。何故かその２人を愛おしい、そう感じていた。
理由は分からない。
でも、これは夢。そう、夢。
凄く怖い。
体が震え、凍る思いがする。
──誰？
『……なんか、嫌な夢、見ちゃったなあ』
Aは同室のアンジェリーナやアリシアを起こさないよう、部屋を出た。
談話室へと降りれば当然、誰も居ない。
『……別に、あたしあの2人じゃないけど、たまには、ね？』
誰に言うでもなく独り言で言い訳をすれば、Aは談話室からそっと出た。
フィルチに見つからないよう、暗い廊下を歩いていれば”閲覧禁止”と書かれた場所に着く。
──ああ、だめね。完全にフレッドとジョージの血が移っちゃってる。
自分でも呆れてしまうが好奇心には勝てなかった。
中に入るとズラリと本が並んであったが、Aはまるで呼ばれるかのごとく足を進めた。扉を再び開けると、そこにあったのは鏡だった。
──大きな鏡……？
静かに近づくと、自分と──夢に出た女性と男性が現れた。
『……優しい、笑顔……誰なの？』
何故だか泣きたくなってくる。理由なんてわからない。でも、怖い気持ちと同時に少しだけ、嬉しいという感情が芽生えそして──涙が零れたのだった。
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高菜(プロフ) - あおさん» わわ、こちら誤字でした(´;ω;｀)「魔法」ですね。修正しました！ご報告ありがとうございます。助かりました。 (2021年12月18日 20時) (
レス) id: 5d2279693e (このIDを非表示/違反報告)
あお - な方？ (2021年12月18日 19時) (レス) @page37 id: 46efee1d0c (このIDを非表示/違反報告)
高菜(プロフ) - 星空夢月さん» 読んでいただき、ありがとうございます！わー！すみません、ありがとうございます！修正しておきます。誤字報告助かります！ (2021年12月11日 13時) (レス) id: e272390ee5 (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！エピソード41の始めの文のところが、名前になってます！！ (2021年12月11日 11時) (レス) @page42 id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
高菜(プロフ) - 不死川さん» 読んでいただきありがとうございます！大好きと言っていただけて、本当に嬉しいです。長いお話にはなりますが、最後までお付き合いしていただけるよう、頑張ります！ (2021年12月9日 15時) (レス) id: e272390ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高菜 | 作成日時：2021年12月4日 21時
