episode14 ページ15
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人の優しさは今、触れてしまうとダメだとAは感じてしまった。
普段、家で優しくされることはあまりなかった。優しさに見えてそれは、違うものだから。
──妹とは、違う。
『……わかってる、わかってるの。ずっと一緒に居れるわけでも、2人が優しいのも。──でも、最近、すごく、不安なの。2人が、居心地良すぎて──こわい』
Aは泣くのを我慢していた。小さな拳をギュッと握り、零れないように必死だった。
きっと何を言っているのか分からないかもしれない。それでも、詳しく伝える勇気が、無かった。
ジョージはそんなAの頬を優しく、撫でた。そして、優しい声でAの顔を自分に向かせる。
「……今は、詳しく話せなんて言わない。だけど、これだけは忘れたらダメだぜ？──俺は、Aから離れるなんて死んでも嫌。それはフレッドも同じ。……でも、知らないところで泣かれるのも嫌なんだ」
ジョージの言葉に心が暖かくなる。同時に涙まで零れてしまう。
必死に我慢しても、ジョージの優しい声には適わなかった。
「だからさ、理由なんて言わなくてもいい。泣くなら俺の傍で泣いて？」
『……っ、なにそれ……ず、るいよ』
「そう、俺ってズルい」
『め、迷惑よ？』
「それは俺が決めること。それに、迷惑なんかじゃないさ。寧ろ、大歓迎。ついでに笑顔にしちまう」
『……っ、なんで、そんなに優しいの……っ？』
「それは、君だからだよ。──こんなに優しいのは、Aだから。優しくしたいし、笑っててほしい。でも、泣きたくなるほど辛い時は、俺の傍で泣いてほしい。今、自分でわがままだな、なんて思ってるだろ？でも、俺のほうがわがまま」
ジョージの言葉はどれも優しく、我慢したいのに涙が出てきてしまう。
そんなAを優しく抱き寄せると、抗うことなく素直に胸に顔を埋めた。優しく背中を撫でるジョージの手に安心してしまう。
──ああ、なんて弱いんだろう。
自分の弱さを自覚しながら、Aは声を押し殺して泣いた。
「……今ものすごーく、Aを1人にしたくないな〜」
ジョージの言葉に顔を上げる。
『……？』
不思議そうにしているAに小さく笑うと、ジョージは優しく誘う。
「一緒に寝よう」
『え──』
「部屋、おいで？」
『で、でも……』
「このまま1人にするほうが嫌だしさ」
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高菜(プロフ) - あおさん» わわ、こちら誤字でした(´;ω;｀)「魔法」ですね。修正しました！ご報告ありがとうございます。助かりました。 (2021年12月18日 20時) (
レス) id: 5d2279693e (このIDを非表示/違反報告)
あお - な方？ (2021年12月18日 19時) (レス) @page37 id: 46efee1d0c (このIDを非表示/違反報告)
高菜(プロフ) - 星空夢月さん» 読んでいただき、ありがとうございます！わー！すみません、ありがとうございます！修正しておきます。誤字報告助かります！ (2021年12月11日 13時) (レス) id: e272390ee5 (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！エピソード41の始めの文のところが、名前になってます！！ (2021年12月11日 11時) (レス) @page42 id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
高菜(プロフ) - 不死川さん» 読んでいただきありがとうございます！大好きと言っていただけて、本当に嬉しいです。長いお話にはなりますが、最後までお付き合いしていただけるよう、頑張ります！ (2021年12月9日 15時) (レス) id: e272390ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高菜 | 作成日時：2021年12月4日 21時
