虎のエースなあの人に。 (ページ3)

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ヒーローインタビューのサプライズ。ページ3

Aside

〈藤浪完全復活〉

そう書かれた新聞記事。

彼はここ数年のスランプから抜け出し、完全復活を果たした。

コントロールも格段によくなって、虎のエースとして認められるような投手になった。

そして、もう１つ変化があった。

今まで以上に、私を大切にしてくれるようになった。

藤浪「A、」

『どうしたの？』

藤浪「愛してる。」

そういうのは本当に大切な人に言おうね、とまだ言うのは、私に自信がないから。

私なんかが、この人の隣にいて良いのかわからないから。

そんなある日、私の中で何かが変わった。
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「放送席―、放送席、そして、甲子園のタイガースファンの皆さん、今日のヒーローは見事完封勝利を達成いたしました、藤浪選手です！」

私の目の前で、あの人は完封勝利。

またいつものようにベンチの裏でヒーローインタビューを聞いてたら、なぜか急に史也に呼ばれた。

『私がここ来てええの？』

北條「今日だけ特別で、監督が呼べって。」

糸原「それに、Aもアイツの勇姿、近くで見たいやろ？」

中谷「ちょ、静かに！インタビュー聞こえないって！」

「ーーーー藤浪選手、ここで重大発表があるとお聞きしましたが？」

藤浪「はい。ずっと黙っていたんですが、恋人がいます！」

「本当ですか！？」

藤浪「はい。そして、彼女に伝えたいことがあります！ベンチの所にいるので呼んでもらって良いですか？」

北條「行け、A！」

史也、健斗、俊に背中を押され、転びかけながらも晋太郎の元へ。

「おお！綺麗な彼女さんじゃないですか！」

『ありがとうございます。』

「それで藤浪選手、伝えたい事というのは？」

藤浪「A、いや、Aさん、

僕と、結婚してください！」

一瞬、時が止まったんじゃないかと思った。

僕と、結婚してください。

その言葉がゆっくりと頭に染み込んでいって、涙が出てきた。

『はい！こちらこそ、よろしくお願いします！』

溢れる涙を抑え、精一杯の声で返事をした。

マイクを通して球場全体に届いてたようで、スタンドのファンの皆さん、ベンチにいる選手、

対戦相手のスワローズの選手、ファンの皆さんも歓声をあげた。

晋太郎はいつの間にか私の前に膝をつき、手を取って、

薬指に、指輪をくれた。