虎のエースなあの人に。 (ページ1)

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私の思い。ページ1

シーズン終了を待って、あの人に告白した。

『晋太郎。』

二人っきりの甲子園。ここでするもんじゃないって知ってるけど、

やっぱり、始まりの場所だから。

『結婚を前提に、私とお付き合いしてください。』

藤浪「もちろん。これからも、よろしく。」

彼がそう言って私の手をとった瞬間、

パーン、と弾けるクラッカーの大音量。

気がついたときには周囲を皆に囲まれていた。

「晋太郎、タイガースの大事な姫さんだからな。幸せにしたれよ！」

どこからか聞こえてくる、激励の言葉。

サヨナラ並の手荒い祝福。

いつの間にか私たちに向けられたカメラ。

晋太郎は、私の手を握ったまま、カメラに向かって叫んだ。

晋太郎「Aさん！いつか虎のエースになるので、それまで待っててください！」

涙のせいで出てこない言葉の代わりに、精一杯の笑顔で返事をした。

すると、一際大きいカメラが向けられた。

『晴香さん！恥ずかしいからやめてください』

藤浪「お、ええやん。後でプレゼントして。」

かなり乗り気な晋太郎に呆れていると、一気に視界が高くなった。

北條「晋太郎マジか！？」

能見「おお、やるやんけ(笑)」

中谷「晋太郎―！俺らの姫さん幸せにしろよ！泣かしたら全員で怒りに行くからな！」

藤浪「怖っ…冗談に聞こえない。」

『晋太郎、おろして…』

そうです。

この197㎝の人、私をお姫様だっこしてます。

顔も近づけるので、心臓バクバクです。

『晋太郎、』

藤浪「どうしたん？」

『愛してる。』

私の恋人は、将来の虎のエース。