検索窓
今日:3 hit、昨日:19 hit、合計:59,091 hit

過去の真実。 ページ41

中島side

『家出して、関西の方まで来て、男装して野球が強い高校に入りました。ずっと、自分の本性を隠して、演技をして生きてきました。』


「で、そのまま阪神に入団したと。」


『はい。阪神に入ってからも自分が女であることを隠してたんですけど…ある人にはバレました。』


女だからって差別されて、家出して、ずっと自分を隠して生きてきて…


どれだけ辛い思いをしたのだろう?慕ってきたはずの兄からも離れ、どれだけ苦しかったのだろう?



彼女の目には何も写っていなかった。



『藤浪さんにはバレました。でも、黙っていてくれたんです。というより、私が黙っていてってお願いしたんです。また前のようになるのが怖かったから。』



西川「…辛かったんやな。」




『辛いとか、苦しいとか、そういう感情が私にはないんです。演技をする上で邪魔になってしまう感情とか、その類いのものは捨てました。私が"大谷凉"になるために。』


中田「そこまでする必要はなかったやろ。そこまでして大谷凉でいる必要は『あるんです。』


『大谷Aとしての私を、誰も認めてくれなかったんです。認めてくれたのは、お兄ちゃんだけで…みんな、女としての私は見てくれなかったんです。』


杉谷「少なくとも俺らは認めてるけど?」


宮西「拳士勝手に…まあ確かにそうだけどな。俺らファイターズはAのことを認めてるから。俺らのこと信じてみんか?」



『信じる…ですか?』



少なくとも俺はAを認めてる。演技をして俺らを騙してきたのかもしれないけど、騙された、とかこれっぽっちも思ってない。



谷口「今のAが人を信じられないのは理解できるよ。でもさ、ファイターズの人達は信用できるよ。今のAが翔平やタイガースの人達を信じてるように、俺らのことを信じてみてよ。」



ずっと"無"だったAの目に、涙が浮かんだ気がした。

裏切りの過去。→←妹の真実。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.8/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
60人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

名無し70024号(プロフ) - 大谷翔平の漢字間違ってます!! (2022年2月3日 0時) (レス) @page2 id: e528b3bdc8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:神瀬結衣 | 作成日時:2018年12月18日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。