永遠のキズナ。〈水溜りボンド編〉 (ページ5)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,237 hit

私と出会ってくれてありがとう。ページ5

この洋館に来て一年。

何かがおかしい。

焼き印が消えたとか、ヤンデレがどっか行ったならまだ良い。

心臓が、痛い。

狼涼には普通病気という概念はない。まずならないはず。

なのに、恋でもないこの痛み。

狼涼は、太陽の下では生きられない。

私にも終わりがきたのかな。

太陽がこの町に昇るとき、私はこの世界から消える。

それまでに私は、どうしても伝えたい。
あのヤンデレに、｢好き｣を、
一番の親友に、｢ありがとう｣を、

みんなに｢私を忘れないで｣を。

｢美羽。｣

私の声は震えていた。親友との別れなんて、受け入れられるものじゃないから。でも、言わないといけない。

｢狼涼が死ぬ条件って覚えてる？｣

美羽｢うん。狼涼が生きている世界に太陽が昇ること。覚えとかないと、親友じゃないよ。｣

｢私はそろそろこの世界から消える。｣

美羽｢え？｣

｢そろそろ、太陽が昇ろうとしてる。期限は今日の５時。だから、佑奈に伝えたいことがあって来た。

まず、今までありがとう。私と出会ってくれて、私をヤンデレから守ってくれて。私は美羽がいたからこそあの二人からの狂った愛情に耐えれたんだと思う。あの二人は狂っていても、私を愛していたから。私はそれをわかっていたから二人が嫌いにならなかった。

私の机の上の手紙、あの二人に渡して。｣

美羽｢嫌だよ・・・お兄ちゃんとカンタ君に頼んでみる。あの二人ならAを生かしてくれるよ。太陽の１つや２つ、簡単に破壊してくれる。だから、死ぬなんて言わないでよ。｣

｢私は、もう生きることに疲れちゃったから。もう、終わりにしたい。ごめんね、美羽。私の事を忘れないで。｣

朝陽が屋敷に差し込んできた。私の体は光と一体化して溶けていった。

｢Thank you for meeting me.｣

私と出会ってくれてありがとう。

美羽、カンタさん、トミーさん。