永遠のキズナ。〈水溜りボンド編〉 (ページ4)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:1,238 hit

紅と虹ページ4

目が覚めたら、明らかにおかしいことになっていた。

昨日寝たのは美羽と同じ部屋。なのに今は最初につれてこられた部屋にいる。なぜか手錠の代わりにリストバンドがついていた。

｢これなら外せるかな？｣

そう思ってそのリストバンドに手を触れたのが間違いだった。

｢痛っ・・・なにこれ｣

電流が流れたような痛みが左腕にきた。さてはあのヤンデレ吸血鬼×２のしわざだな。

美羽に相談しよっかな。

｢何してるの？Aちゃん。まさか・・・
逃げたりしようとしてないよね？｣

｢俺たちがどれだけAのことが大好きで離したくない大切な人かわかってんの？逃がさねえよ。一生俺たちのものでいてよ。｣

はい、早速見つかりました。でもなんかおかしいですね。

怖い。とりあえず怖い。瞳にハイライトがなかった。漆黒の闇、無情の黒・・・

｢美羽・・・たすけ、て｣

ト｢無駄だよ。俺たちがさせない。さすがに妹を傷つける気はないけど、今はそういう事にもいかない。Aが逃げようとするなら妹も無事じゃないかもな。
俺の妹を傷つけたくなかったら、これ以上俺らから離れないでよ。｣

美羽の話題が出てくるとなぜか私はこのヤンデレに逆らえない。私は美羽に傷ついてほしくないから。

カ｢ねえ、もう逃げないでよ。僕たちは君がほしいの。君がいてくれたら、それで良いの。｣

そう言って、吸血鬼は私の首筋に触れた。触れられた所が焼けるような痛みに襲われた。

｢俺らのものだってどれだけ言ってもわかんないでしょ？だから、俺らのものだって印をつけてやった。お前の全てを俺にくれよ。｣

水溜りに映る虹の焼き印は、私がこの洋館から出ると痛み出すと数ヶ月してわかった。
庭はギリギリセーフなのが嬉しい。

庭の一角を紅に染める薔薇はいつか流れるであろう誰かの血。

吸血鬼の里でしか咲かない虹色は私たちが迎える、

予測不能な未来。