自己肯定 ページ42
阿部side
『本当にまぐれだったんだっよ』
『偶然だよ。偶然調子よかっただけ』
目の前にいる彼女はそう言った。全部偶然が重なった結果で自分の実力ではないと。
そんなことないのになぁ、と思いながら彼女の手元を見る。今はドイツ語勉強してるって言ってたっけ。辞書片手にドイツ語の新聞と格闘してた。
「Aは勉強が好きなの？」
『好きでも嫌いでもないよ。勉強してる間は他の事考えずに済むからやってるだけ』
「阿部ちゃん先生の時とか見てたら好きそうに見えるけどなぁ」
『スーツ着た亮平カッコいいもん。私あんまりスーツ似合わないから羨ましい』
彼女が言った。アイドルじゃない自分が嫌いだと。自分をどうしても好きになれないと。
自己肯定感が低いとかそんな言葉では片づけられない。もしかしたら彼女は自己肯定という概念すら持っていないのかもしれない。
「そうやって自分のこと卑下するのやめたら？」
『…無理だよ。長年染みついちゃった考え方の癖ってなかなか変えられないよ』
「それでしんどい思いするのはAだよ」
『もう慣れたよ』
そういう話じゃない。というか慣れちゃ駄目なのに。どんな言い方をしても多分彼女には届かないんだろう。
何かいい方法がないかと頭を捻る。一つの案が浮かぶ。
「じゃあこうしよっか」
『？』
「Aがネガティブな事言った分だけ俺がAの好きな所とかマーベラスな所を言うよ」
目の前にいる彼女の表情が固くなる。あれ、名案だと思ったんだけどなぁ。
『…もしかしてゆり組のどっちかから聞いてた？』
「え、なんでそこでゆり組なの」
『昔ゆり組に同じ事やられたんだって…』
「え、マジJustice」
『ホントあの人達心臓に悪い……特に舘様』
じゃあこうしよ？と悪魔が囁く。彼女は驚くだろうな、もしかしたら怒るかも。
「じゃあSnowMan全員でやってみよっか」
『は？』
「それだけじゃなくてSixTONESとか7menとか…とりあえずクイズ部は全員伝えとこっと」
『待て』
焦ると少し言葉遣いが荒くなるのも可愛いポイントだと思う。甘やかしすぎかもしれないけど。
『私にそんな価値ないよ』
「あ、早速言った」
逃げようとする彼女の腕を掴んで動きを封じる。そのままその耳元に唇を寄せる。
「こうやって耳元で囁かれたらすぐ真っ赤になっちゃう所、俺は好きだよ」
「…あれ、Aどうしたの？」
『……まじむり』
「今ならクイズ部勧誘しても良いよって言ってくれそう」
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神瀬結衣@虎党(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！美紀様も体調にはお気をつけくださいね (2023年2月14日 20時) (
レス) id: 86c45c0b8a (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - Snow Man大好きです最高ですコロナと気温差がすごいので体調に気をつけましょう (2023年2月14日 17時) (レス) id: e7f1610a24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神瀬結衣@虎党 | 作成日時：2023年2月13日 0時
