心を拾った虎の子。

大好きと伝えたい ページ16

そして、最後の花束贈呈へ。

まずは家族や友人。千鶴と伊月さん(淡路の家にいた執事さん)からは、それぞれ白を基調とした花束。


そして、海の向こうから来てくれたPJとその家族は向日葵をくれた。

『ファンの皆さんから「あのイケメン誰！？」という声が聞こえたので紹介します。
私の従兄のPierce William Johnsonです。PJって呼んであげてください。去年は阪神タイガースでリリーフピッチャーをしていました』

驚きの声がはっきりと聞こえた。選手からも。球児さんだけ「俺、知ってたけどな」って顔してる。


そして、大知や榎田さん達からも球団を代表して花束が贈られた。

Sh42「Aちゃん、まだこれだけじゃないよ」

『え？』

ほら、と石崎さんが指す方向を見ると、そこには今日いるはずのない6人がいた。


高校の大先輩でもある昇竜の主砲。
嫌に橙が似合う命の恩人。
鯉球団のカピバラさん。
自分にとっての永遠のヒーロー。
東北のドクターK。

そして、北の大地の9番がいた。


平田りんに頭をくしゃくしゃと撫でられ、慎吾さんにぎゅーっと抱きしめられ、大瀬良さんの癒しを貰い、

嶋さんの匂いと鍛えられた身体を堪能して()、ノリさんに頑張ったな、と耳元で言われた。


そして、北の9番さんと向き合う。

一年前、二年前の自分なら彼の手を怖がり、拒んでいたと思う。

でも、もう臆病な自分じゃないから。



一歩ずつ、彼の方に近づく。彼は少し躊躇している。


G36「んもー！卓さん、何なんですか！？」

E14「ちゃんと素直になれよ」

慎吾さんとノリさんが彼の背中を押して、ついにその距離がゼロになった。


『卓さん、』

F9「A、四年間お疲れ様。ごめんな、苦しい時に一人にさせて」

『本当は皆のこと好きなのに、好きって言うのが怖くて、苦しかったです』

F9「大丈夫。これから何回でも好きって言ってくれたらそれで良い。

また、うちに遊びにおいで。亮も大将も泰示も遥輝もみんな待ってるから」

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