あの人の妹はFightingGirl! samurai (ページ38)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:59,318 hit

まだ終わらない。ページ38

ふみふみ(北條)と代打の切り札・原口さんを斬り、ついに三連覇まであと一人。

打席に立ったのは二年目の近本さん。

強敵を突き放し、盗塁王の称号を手にした実力者。

ここは三振に切りたい。気を抜くと軽く出塁される。

初球、内角低いところへのスライダー。あ、ヤバい。甘い球になった。

ライナーは私の方へまっすぐ飛んだ。間に合わない、セカンドかショートが捕れるか？って感じ。

後ろを向こうとした瞬間、鈍い音と共に右腕に強烈な痛みが。

どうやら打球が当たったらしい…なんて分析する余裕はない。痛い。めっちゃ痛い。

F6「A！」

F9「A、大丈夫！？」

F10「Aちゃん！！」

皆の声が少し遠くに聞こえた。

F58「Aちゃん、腕…」

俊建に言われて初めて気づいた。ボールが当たった腕から血が出ていたし、感覚がイマイチ掴めなかった。折れてるかも。

「これは…交代か。」

コーチの声に私はいやいや、と首を横に振る。

F6「は！？何考えとん？その腕で無理やろ！」

F2「無茶が過ぎるって！」

普通なら降板するけど、ここで降りたくない。

『私はまだ投げれるから。』

F58「でもその腕じゃ…」

F9「A、冷静になれって！」

私はずっと冷静だよ。ずっと。

私にはまだ左腕があるじゃん。使える球種は限られるし球速も落ちてしまうけど投げられる。

私の舞台は終わってなんかない。