あの人の妹はFightingGirl! samurai (ページ19)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:59,306 hit

Last Ball ページ19

やっぱり、大舞台って大好きだ。

いつもと違う雰囲気に飲み込まれるか、それを楽しむかは私次第。そこに楽しさがあると思う。

首位攻防戦、CS、日本シリーズ、どの舞台とも違う雰囲気と緊張感。それがオリンピックにはある。

こんなの初めてだ。こんなにも野球が楽しい、と思ったことはない。

緊張なんて1％もない。

拓也にリードされる通りに、一人目、二人目をショートゴロとライトフライに打ち取り、あと一人。

スタンドのファンは皆立ち上がり、あと一人、のコール。

ベンチにいるメンバーも立ち上がってその時を今か今かと待ちわびている。

私がやらなくて誰がやるの？

今、マウンドに立っているのは私だけだ。

私が決めるしかない。

.

一球目、二球目をきっちりストライクゾーンに入れ、次の一級が勝負を決める時。

ずっと夢見続けてきた、世界一の称号。

私のこの手で掴んでやるんだ。

最後の一球、拓也から出たのはスライダーのサイン。

そういえば、このバッターは外角のスライダーが明らかに打ててないって誰かが言ってたな。

外角に投げ込んだスライダー。バットの先にも当たらず、空を切った。

実況「試合終了ー！！ニッポン、金メダル！やはり最後は杉谷が決めました！！」

外野から、それぞれの守備位置から、ベンチから、大好きな人たちが駆け寄ってきた。

"よくやったな"

なんだか、懐かしい聞こえた気がした。