あの人の妹はFightingGirl! samurai (ページ9)

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大役の迷い。ページ9

稲葉「A、明日も行けるか？」

『投げるのでなければ行けますよ。』

稲葉「明日は藤浪に任せる。一つ、言いたいことがあるんだがいいか？」

『？はい。』

試合後、身体のケアとクールダウンを終えたところで稲葉監督に呼び止められた。

稲葉「明日の試合、Aに四番を任せる。」

『…え？』

侍ジャパンの四番に私が？

稲葉「明日の相手はアメリカだ。最強のオーダーで挑まないと勝てない。だからこそ、Aに四番を任せたい。Aはもはや侍ジャパンに必要不可欠な存在だ。

…俺はAを信じたい。」

『…少しだけ、考える時間をください。』

稲葉「返事はできるだけ早めに頼むぞ。」

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これまでも、ファイターズやスワローズで四番に立つことはなかった。

私より四番にふさわしい人がいるから。大将、きよみー、哲人、バレンティンや雄平さん。

侍ジャパンなら筒香さん、山川さん、正尚さんや和真、翔平だっている。

私が立つ意味なんてない。

でも、私は断れない気がする。

迷いと悩みの内に、いつの間にか兄に電話を掛けていた。

『…お兄ちゃん？』

F2「A？どうかした？」

『実はさ…』

この状況に至るまでの経緯を説明すると、兄はやっぱり、と言った。

F2「…いつか、その日が来ると思ってた。それがついに来ただけだよ。」

『…でもさ、私には無理。なんで私が四番に立ってこなかったかわかる？』

『私なんかより四番にふさわしい人がたくさんいるから。大将とか、きよみーとか、侍だと山川さんとか和真とか。私より凄い人っていっぱいいるから。』

F2「…じゃあ、その翔さんに聞いてみたら？四番バッターの気持ちだったら、あの人の方がわかるでしょ。」

『…それもそうか。』

この気持ちに終止符を。