白いアルバム。 ページ4
F2side
F9「拳士……」
「卓、ファイターズの皆を呼んで。翔平も。できればヤクルトの選手も。」
F9「なんで、今…?」
「いいから!今すぐ呼んで!」
ついにこの時が来てしまった。
ずっと隠し続けてきた、本当のこと。
いつか伝えないといけないのは知っていた。
それが、今なだけ。今、来ただけ。
F6「拳士、」
「俺、皆に本当のことを話します。」
F6「そうか。……もう隠しきれんか。」
「はい。」
卓の呼びかけに次々と集まってくるファイターズ、スワローズの両選手。
F64「何かあったんですか?」
「Aのことなんだけど、」
溢れてくる涙をこらえながら、言葉を繋いでいく。
「Aのこと、全部、話そうと思う。今まで何があったか。」
話すのは怖い。でも、黙ったままでいるのは…
もっと怖い。
鞄に入っていた白いアルバムをグッと握りしめた。
汚れ1つない白が、今は綺麗とは思えない。
ただただ無慈悲な白だった。
Ys1「アルバム…?」
「このアルバムに、中学生より前のAの写真はない。これだけじゃなくて、家にあるアルバムのどれにも、小学生、入学前のAは一枚もない。」
F7「単に撮ってないだけじゃ?」
「じゃあさ、違和感を覚えたことはない?兄妹の割には顔も似てないし、年も離れてる。兄妹のはずなのに、二人の間に壁がある。」
さあ、今こそその時だ。
「Aの本当の名前はAA。俺とは血が繋がってないんだ。」
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作者名:神瀬結衣@虎党 | 作成日時:2019年3月3日 0時