あの人の妹はFightingGirl！memory (ページ27)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:58,454 hit

赤黒く、弱く。ページ27

「やあ、久しぶり。」

『涼、もう会わないって言うたやんか。』

「そんなん聞いてないけど？」

『卓哉も…帰って。もう、私に関わんな。』

一番会いたくなかった兄と元恋人。涼と卓哉。

『帰れ。私は絶対に大阪には戻らんから。』

最近になってわかってきた、私のちゃんとした居場所、帰る場所。

『北海道に帰るから。』

涼「じゃあ北海道支店の方で『は？何言うてんの？頭の中お花畑なん？』

『選手として北海道に帰る。それが答えや。絶対に変わらん。』

卓哉「あんな…あんなしょうもないスポーツのどこがええん？普通に仕事して、結婚したら幸せやんか。」

『そんなん…ウチの幸せとちゃうわ！！ええ加減にせえや！ウチにはウチなりの幸せがあんねん！！』

私がマジで切れる3つのポイント。

①自分の意見を押しつける

②過去の話に触れ、馬鹿にする

③大切な人を悪意を持って批判される。

今のは影でずっと努力を重ねた選手を見下したと判断します。

『帰れ。あんたらとは縁を切ったはずや。自分なりに幸せになる。』

涼「じゃあ、、無理矢理連れてくしかないよなあ？」

『は？、、離せ！何すんねん！』

卓哉「うっさい！！」

抵抗すれば頬を殴られ、意識が遠のいていく。

げほげほ、と咳き込めば口元に当てた手にべったりとつく赤い液体。

遠のく意識の中でも、身体中を殴られ、痣や傷がつくられていくのはわかった。

でも、痛みなんて感じなかった。

『遥輝……鍵さん………きゅん……』

意識を手放す直前、あり得ない言葉が口から出ていた。