夢?幻? ページ40
F2side
「今日のヒーローは、三安打猛打賞の杉谷選手です!」
あれは夢か幻だったのだろうか?
あの打席の後、Aを見た人はいない。すぐに代走が出されて、ベンチに帰ってきてもすぐに裏に行って。
スコア表示の7回のところに刻まれた「3」という数字だけが、現実であることを物語る。
アナ「杉谷選手、見事な同点タイムリーでしたね!」
「ありがとうございます!」
アナ「今のお気持ちというのはいかがですか?」
「妹と会えなくなってから中々調子が上がらなかったんで、打ててよかったです!」
ヒーローインタビューでも、ずっとAのことを考えてた。
ただ、あれが夢や幻じゃないのを願っていた。
.
F6「拳士―、お前何考えてた?」
「7回のが夢やったんかな―って。」
F6「夢とちゃうぞ。ちゃんと目合ったし。」
やっぱり夢じゃないのかな…?
なんて考えつつ着替えてたら、予想すらしなかったお客さんが。
F7「誰ですか?」
遥輝が出たその時、ずっと願っていたことは現実になった。
『お久しぶりです!』という妹の声。
はっきりと視界にある妹の姿。
何かが吹っ切れたような表情。
「A…!」
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作者名:神瀬結衣@虎党 | 作成日時:2019年3月3日 0時