心をなくした虎の子。 (ページ4)

今日:9 hit、昨日:58 hit、合計:116,616 hit

鮮烈なるデビュー戦ページ4

T5「A―、エラーすんなよ。」

『うっさいわ。光司こそエラーしんといてよ。開幕戦からやらかすとか笑い者やし。』

F0「はいはい、喧嘩しない―。」

異例のルーキー二人が開幕スタメン、私もスタメン獲得。←事実をねじ曲げてお送りします。

お兄ちゃんがセンター、聖也がショート、私がレフト。

『まさか自分までスタメンとか…あの福留さんを抑えてとか申し訳ないわ。』

T0「それだけ監督も期待してるんだろ。」

悪いことじゃないけどさ―、なんか申し訳ないよね。

T8「お前ら同級生で一、二、三、四番って……俺ももう寿命やな。」

T0「(苦笑)」←一番

T5「あはは…」←二番

『申し訳ないです。』←三番

.

試合も終盤、二人それぞれの好プレーが観客を沸かせた後のこと。

T0「A、行け―！！」

『お兄ちゃんホームに帰してくるわ。』

(うるさい)聖也に背中を押され、三度目の打席へ。

ここまで死球とライトフライ。なんとか打ちたい。

外野の前に落とせば一点入るし引っ張る必要なんかない。いや、そうじゃないやろ？

自分の持ってるもの全部出して、長打、あわよくばホームラン狙ったらええやん。

「星野の打球は高々と上がってく…どうだ！？入るか！？入るか！？入った―！！星野A、移籍後初安打はツーランホームラン！近本に続きチームに得点をもたらしました！」

『よし。』

誰が見てもわからないくらいに小さくガッツポーズ。藤本コーチとハイタッチをしてホームベースへ。

T5「A！！」

『うぎゃあぁ！』

同級生が飛びついてきました。骨折れるし重いし！誰か助けて。

『誰か……ジョー！』

T2「はいはいっ…と。」

ジョーが引き剥がしてくれたけど、これがホームランの度に来るとか……怖。