心をなくした虎の子。 (ページ27)

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林檎ページ27

『え、これ何の嫌がらせ？』

T19「どないしたん？」

青森から来たらしい荷物。開けてみれば大量のリンゴジュース。

T19「え、お前青森に知り合いなんかおった？」

『聖也は青森出身やけど違うって。』

T19「じゃあ誰？」

ま、美味しいから良い。

『…これ、外崎さんとこのやつ。西武の！』

そして、ライオンズでこんな悪戯は一人しかしない。

.

『友哉、自分の元に送られた大量のリンゴジュースに関して心当たりはない？』

L10「え、知りませんよ！」

『そっか―、私はてっきり友哉が好意でくれたものかと。』

ちょっと嫌みっぽく言えばすみませんでしたぁぁ！と謝る後輩。やっぱりお前か。

『とりあえず外崎さんおる？いてるんやったら代わって。』

L5「Aちゃん？うちの友哉が何かした？」

『あ、外崎さん。実はそちらのバカがうちに大量のリンゴジュース…外崎さんとこのを送ってきたので。ありがとうございます。』

気に入ってくれたなら良いよ、と言ってくれる先輩。優しい。

やっぱりどこかのバカとは違う。

『じゃ、切りますね。ありがとうございました―。』

T19「で、どうすんの？」

『この量はうちでも無理や。子供さんいてはる選手に配るか？』

T19「ええな、それ。」

それから一ヶ月ほど、外崎家の電話が鳴り止まなかったそうな。