あの人の妹はFightingGirl！

vs師匠。 ページ8

『師匠…できることならあなたとは戦いたくなかったな。』

一回、二回を三者凡退で終わらせ、三回、ノーアウトで迎える打者は私の憧れの人。



憧れの人で、私の師匠。

？「(全力でいけ)」

『(わかってますよ)』


さあ、舞台は整っている。



憧れを超えるときが来た。

一球目、二球目は変化球を空振り、三球目を外して次が勝負の一球。


優心は私をよく理解してる。



私が変化球ではなく、ストレートで勝負したいこととか、


真っ向から挑む姿勢とか。


F10「(Aの本物のストレートを投げて)」


小さく頷き、深呼吸し、精神統一して相手を見据える。


チームを背負うたくましい姿はやっぱり変わらない。


感情に任せるように、ボールをキャッチャーの構えるミットに運ぶ。


一瞬が、凄く長く感じて、白球が、スローモーションで見えた。




「ストライク！」

響く球審の声と、沸き上がるファイターズファン。



？「(さすが。やっぱりAは最高だよ。)」


自分が三振になったはずなのに、彼はなぜか笑顔だった。

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？side

「やっぱり、あいつには敵わないか。」


そんな予感はしてた。彼女はいずれ球界最強になる、沢山の人を見返し、笑顔にするってわかっていた。



三振になった瞬間、ほんの少し笑みすらこぼれた。





「どこまでいくか見物だな……




頑張れ。負けるな、A。自分の道を行け。大丈夫、Aならできる。」





弟子がこんなにも成長するなんて、あの日の俺は思ってもなかっただろう。

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