あの人の妹はFightingGirl！

勝負の鐘の声 ページ39

「A、9回から行けるか？」


『9回から…ですか？』



8回、自分達の守備が終わり、ベンチに帰ったときのこと。

栗山「最後を、Aに任せたい。日本シリーズという最高の晴れ舞台だ。





Aの手で、全てを終わらせてくれ。良い方に。大丈夫だ。ファイターズはAを信じるから。」


『監督……』

いや、私はマー君か。なんて考える暇はない。



ファイターズのため、ファンのため、何より全国の野球少女のため。




私が伝説になってやる。


『監督、私、行きます。9回を抑えて、ファイターズを日本一にします！』


栗山「それでこそAだ。」









ブルペンに行けば、驚いた様子のピッチャーの皆さん。


F25「A、監督は何て？」


『私に最後を任せたいって。ファイターズは私を信じるから、全力で行けって。






……私は、次の回にマウンドに立つ。この手で、ファイターズ日本一にする。』




F30「だろうとは思ったけど。」

F25「マー君かお前は。」



宮さん、私も同意見だから。







そのまま少し投げ込みをし、いつもと変わらない調子なのを確かめた時には8回も終わりかけていた。



F30「Aに、全てを任せるよ。Aにできないことなんてなかった。だから、自分を信じて、仲間を信じて。」


F25「大丈夫や。ファイターズはAを信じる。もしAが駄目でも、皆が打って勝たせてくれる。



でも、それはあかん。Aが、全てを終わらせて。」




二人にしっかりと手を握られ、パワーを貰ってグラウンドへ向かう。






マウンドに立ち、深呼吸をしてゆっくりと顔を上げた。



「ピッチャーは石川に代わりまして杉谷A



……背番号11」




さあ、勝負の鐘が鳴る。

龍の目。→←日本一を目前に。

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