エースvsエース ページ15
『っと……やっぱりコントロール良いな。羨ましい。』
6回、ツーアウト満塁のチャンス。塁にはヤクルトが誇るイケメンコンビ、てっぱちくんと川端さん。さらには青木さんまで。
打たないとファンに恨まれるな。←
マウンドには私の因縁の相手。ジャイアンツのエース、菅野智之。
『女だからってなめんな。』
目標だった智之からのホームラン。それを今、達成するとき。
手に持ったバットはいつの間にかバックスクリーンを指していた。
Ys5(A、マジか!?)
Ys23(おぉ、やる気じゃん!行け、A!)
Ys1(行け、いつもの全力で行け!Aならできる!)
ありがとう、3人とも。
私が全力で行けば良い。
全力に勝る武器はない。
ど真ん中に来た豪速球。普通なら見逃しか、ファール、平凡なゴロで終わる。
でも、私は普通じゃないからね?
バットの真芯に当て、全力のフルスイング。
白球は風を切り裂き、バックスクリーンへ、
ちょうど、バットが指していた場所に。
『(あ……スクリーン壊した。)』
力が強すぎて、ボールが当たった場所は照明がついていなかった。
『あ―、やっちゃった。』
悪いことでもないのに、なんだか謝りたくなった。
三塁のベースを踏んだ瞬間、智之が泣いているのが見えた。
すぐに目をそらし、ホームまで全力疾走。
Ys1「A!マジで最高!」
Ys5「そのままノーヒットノーラン行っちゃえ!勢いはついてるよ!」
つば(A、おめでとう。)
『皆さん、ありがとうございます!』
試合はそのままノーヒットノーランでスワローズの勝ち。
ヒーローインタビューが終わり、クールダウンと着替えを済ませた時。
コンコン
控えめなノックの音。恐る恐るドアを開けると、そこには……
「A、本当にごめん。」
『……智之?別に気にしてないよ?』
私の因縁の相手、菅野智之がいた。
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ソーセージ(プロフ) - 学年一位がShall I わからんとか…笑 (2020年4月20日 7時) (レス) id: 711a78eb36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神瀬結衣@虎党 | 作成日時:2019年1月14日 19時