409. モノクロの世界 ページ9
スライド式の静かな病室のドアを開けると
そこには正兄ちゃんと直兄ちゃんがいた
直哉「A・・ユチョンくんも・・早くから悪かったね」
YC「そんな・・全然・・」
直兄ちゃんの向こう側にちらりと見えるのは
今朝早くにICUから個室に移ってきたお兄ちゃん・・？
美樹「あれ・・ユナは？」
正哉「祐子がこどもたち見てるから、代わるって一旦帰った」
直哉「美樹さん家寄ってプチも見てくるって言ってたよ」
美樹「助かる・・」
みんなの話は耳に入ってくるけど
目の前に横たわる男性から目を離すことができなかった‥
生気のない顔に酸素マスクやらの医療機器を繋がれて
手足は包帯でグルグルに巻かれてる‥
A「‥‥」
ベッドの横に置かれた装置から
心臓の動きに合わせてピッピッって音が鳴ってる
これが・・お兄ちゃん・・？
YC「A、お兄さんの方に‥」
呆然と立ち尽くす私に気付いたユチョンが
私の腕にそっと触れた時、咄嗟にその手を掴んだ
YC「‥A？」
A「‥ぃやだ」
正哉「‥何ガキみたいなこと言ってんだよ‥アニキだぞ‥」
A「‥違う」
正哉「は？」
A「違う‥お兄ちゃんは・・違う‥」
美樹「Aちゃん‥」
A「平日こんな時間‥お兄ちゃんはもう会社でしょ‥？
また皆で私をからかってるんでしょ？そうでしょ？直くん」
すがる思いで顔をあげると、いつも穏やかな直哉兄ちゃんがきゅっと唇を結んで難しい顔をした
その顔が俊兄ちゃんと少しだけ似ていて、さらに胸が締め付けられる
直哉「A‥兄ちゃんだよ‥」
A「・・何で？何で直くんまでそんな嘘つくのっ」
正哉「‥嘘なら‥いいのにな‥」
いつもお調子者の正哉兄ちゃんまで‥
A「‥‥」
‥やだ‥やっぱりやだ‥
‥現実を受け入れなきゃって思ってたけど
お兄ちゃんのこんな姿・・ムリ・・
A「‥っ‥違う！こんなんお兄ちゃんじゃない！やだっ」
パチンっ
乾いた音と左頬に感じた熱い衝撃
それと同時に一瞬、瞳に映る全てがモノクロになった
行き場を失って宙に浮いたその右手も
感情のない・・その瞳も
410. 生きたいから 【2012/09/09】→←408. 現実 【2012/09/02】
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ひとみ(プロフ) - はい( ´ ▽ ` )ﾉありがとうございます。 (2012年12月25日 1時) (
レス) id: 829c98bf56 (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - ひとみさん» ひとみさん、Part10開店しました♪またそちらにもコメントくださいね〜。よろしくです！ (2012年12月25日 1時) (レス) id: 060510fa82 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - 遅くまで、お疲れ様です。マイペースで、ガンバです。待ってます〜( ´ ▽ ` ) (2012年12月24日 23時) (レス) id: 829c98bf56 (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - ひとみさん» ひとみさん、あわてふためいていただけるほど待っててくださるってことですよね？？うふふ・・嬉しい・・。今仕事から帰ったところなので、もう少し待っててくださいね♪ (2012年12月24日 23時) (レス) id: 060510fa82 (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - ミニーさん» はじめましてのミニーさん、いつもありがとうございます♪Part10は準備中のため、施錠しています（汗）整ったら開錠しますので、もう少ーし時間をください（> <；） (2012年12月24日 23時) (レス) id: 060510fa82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てん
| 作成日時：2012年8月15日 22時
