411. 右手 ページ11
あの後少しして、看護士さんが病室に来た
それに続いて美樹ヌナと双子のお兄さんたちは
先生からの説明を受けるために病室を後にした
Aと俺は、お兄さんのベッドの脇に置かれた小さないすに並んで腰掛けた
お兄さんは無傷だった右腕に点滴をつながれていて、その腕が布団の上に出ている
Aは恐る恐る、その右手に自分の左手を重ねた
A「あ・・あったかい・・」
そうつぶやいたAが、少しだけ微笑んだ
その笑顔を見て、さっきAを叩いてしまった右の手のひらが・・ジンジンと痛んだ
A「・・ユチョン」
YC「・・ん」
窺うような目をして、そっと右手を差し出したA
YC「・・なに？」
A「・・右手出して」
言われたとおりに・・でも少し遠慮気味にAの右手に重ねると
Aは重なった俺の手をぎゅっと握った
A「・・ごめんね・・痛かったね・・ほんとごめん・・」
YC「・・え」
重ねられた手に奪われた視線をAに戻すと
目と鼻を赤くして、また涙を流していた
A「ほっぺ・・全然痛くなんてなかったよ・・」
YC「・・A・・」
A「ユチョン・・痛かったね・・」
Aは涙を流してたけど、しっかりと落ち着きを取り戻していた
A「・・ごめんね・・だけど・・ありがとう・・気付かせてくれて・・ありがとね」
YC「俺・・ごめん・・手あげるなんて・・男として最低・・」
A「違う」
YC「けど」
A「・・ぶたれなかったら私・・もっとひどいこと言ってた」
Aは、俺の右手をお兄さんの右手に重ねると
それを包み込むように、両手にぎゅっと力をこめた
A「お兄ちゃんは生きてるのに・・こうやってちゃんと、あったかいのに・・
なのに私、このお兄ちゃんを否定した・・お兄ちゃんはお兄ちゃんなのに・・」
YC「A・・」
A「もし・・もしお兄ちゃんがユチョンの立場なら、やっぱり同じように私をぶったと思う」
そう言えば守屋さんが言ってた
「俊さんと・・Aさんのお兄さんと似てる
目に見える感じは違うけど、ふたりが重なるんだ」
A「ユチョンが、お兄ちゃんに見えたの・・」
YC「・・・」
その時、ベッドに横たわるお兄さんが微笑んだように見えた
412. 泣き虫ユチョン 【2012/09/11】→←410. 生きたいから 【2012/09/09】
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ひとみ(プロフ) - はい( ´ ▽ ` )ﾉありがとうございます。 (2012年12月25日 1時) (
レス) id: 829c98bf56 (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - ひとみさん» ひとみさん、Part10開店しました♪またそちらにもコメントくださいね〜。よろしくです！ (2012年12月25日 1時) (レス) id: 060510fa82 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - 遅くまで、お疲れ様です。マイペースで、ガンバです。待ってます〜( ´ ▽ ` ) (2012年12月24日 23時) (レス) id: 829c98bf56 (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - ひとみさん» ひとみさん、あわてふためいていただけるほど待っててくださるってことですよね？？うふふ・・嬉しい・・。今仕事から帰ったところなので、もう少し待っててくださいね♪ (2012年12月24日 23時) (レス) id: 060510fa82 (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - ミニーさん» はじめましてのミニーさん、いつもありがとうございます♪Part10は準備中のため、施錠しています（汗）整ったら開錠しますので、もう少ーし時間をください（> <；） (2012年12月24日 23時) (レス) id: 060510fa82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てん
| 作成日時：2012年8月15日 22時
