夏が始まる合図 (ページ47)

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緊張と気まずさで自分からは話せなかったけど

河野くんが話しかけてくれるので

なんとか会話が続いて10分くらいでお店に着いた

「ここ行きたかってん～」

オシャレだけど入りにくい感じではない、いい意味で普通の洋食屋さん

「何個か頼んで取り分ける？」

「うん」

「何食べたい？俺パスタはカルボナーラがいい！」

「カルボナーラ私も好き、じゃあピザはこれかこれがいいかなぁ」

「じゃあこれにしよか！お酒飲む？てかこの前思ってんけどAちゃんお酒強いよな？俺あの日実は結局酔っててんけど、Aちゃん全然普通やったから多分あの4人の中やといちばん強いよな」

「そうかな、でも親も強いから遺伝かも？河野くんも飲むなら飲もうかな」

「ほんなら飲も！このレモンサワー美味そうちゃう？よな！じゃあそれにしよか」

そう言って河野くんは店員さんを呼んで、色々注文してくれた

正直こういうときに、好きに選んでいいよとか言われるとわたしは萎縮してしまう

こうやって進んで決めてくれる河野くんはすごく有難い

「「乾杯」」

男の子と2人でご飯に行くなんていつぶりだろう

元彼と別れたのは1年近く前だからそれ以来だ

元彼には告白されて、悪いひとではなかったので推しの強さに負けて付き合い始めた

付き合う中で好きになっていったけれど、1年以上経ってもなかなか素が出せず、疲れ果てていたらちょうど振られた

ご飯を振舞ったことすらなかったな

なんて思いながらピザを食べる

「めっちゃうまいな～」

美味しそうにピザを頬張る河野くん

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