君と Ⅱ. (ページ7)

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二人で他愛もない話をしていたらあっという間に時間は過ぎて。

「翔ちゃんそろそろいい時間じゃない？」

「あ！ほんとだ、行こっか」

「さっきよりは空いてんね」

二宮の言う通り、先ほど見た光景よりも人混みは少なくなっている。
しかしまだ入り口辺りには何人かが列を作っている。

「ちょっと電話してみるね」

……プルルル……プルルル

『はい、相葉です』

「あ、もしもし櫻井です」

『あ、翔ちゃん！なになに、どした？迷った？』

「違う違う、お店着いたよって連絡」

『わざわざ連絡してくれるなんて！入っておいでよ！』

「なんか列できてて、俺らも待った方がいいのかなぁって」

『予約してくれてるお客様は別だよー、入って入って』

「わかった、じゃあ、きるね？」

『はいはーい！』

櫻井は電話を切って横にいる二宮に声をかける

「ニノ、入っていいって」

「ん、行きますかー。じゃあ俺が先頭ね、あとから着いてきて」

「べつにいいけど…なんで？」

「べつにー」

そういうと二宮が櫻井の手をとってお店に入っていく。
扉を開けたその瞬間…

「しょおちゃーーーん！」

すごい勢いで櫻井の親友、相葉が櫻井の名前を叫び正面からぶつかってくる。
しかしぶつかった相手は櫻井ではなくて

「…ってぇ、予想以上だわこんなん……」

「だ、大丈夫ニノ？」

「え、あれ、翔ちゃん……？申し訳ありませんお客様…お怪我はないですか？」

「あー、大丈夫っす…」

相葉から正面衝突された二宮は若干機嫌が悪くなっている。

「ご予約は…」

「俺、翔ちゃんの"友達"で、今日一緒に髪の毛切りにいこうって誘われて」

「あ、そうそう相葉くん。一緒に予約した友達が彼、二宮くんです」

「ドーモ」

「……わぁぁ！翔ちゃんの友達か！！ごめんねー！痛かった？でも普通友達が先陣切って入ってくるとはこっちも思わないもんだよー！翔ちゃんに抱きつくつもりだったのごめんねー！」

「だと思って先に入らせてもらいました、友達が抱きつかれてるの嫌なんで。二宮です今日はよろしくお願いしますね」

「あっはは、めちゃくちゃ俺のこと嫌そー！…どっかで会ったことある？」

「あー、あるかもしんないですねぇ。あんま覚えてないんですけど興味ないんで」

「そっかー、まあ俺もどーでもいいけどね！じゃあよろしくねニノちゃん！」

「はぁ…？」

二人の初対面？はなかなかイイ雰囲気ではなさそうで、櫻井も会話に入れずただ二人を見守るだけである。