君と Ⅱ. (ページ24)

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君とページ24

二宮はもう離してあげないといわんばかりの強さで櫻井を抱きしめる。

「う、嘘だ。」

「嘘なんかついてどーすんの。ホントだよ」

「信じらんない…」

「ばっか、信じらんないのはこっち。俺はずーっと前からそういう目で翔ちゃんのこと見てたんですから。思いは重いよ？」

二宮の言葉に櫻井は笑いを零す。

「なに笑ってんの。…翔ちゃんは思いを伝えたいだけかもしんないけど俺はそうじゃないよ。ましてや相思相愛なんでしょ？そんなの、わかるよね？」

二宮はそう言うと抱きしめていた手を渋々離し、櫻井と向き合うように座り直す。

見つめてくる二宮に耐えられなくて、櫻井は俯いてしまう。

「照れてんの？」

「…るせー」

二宮は頬杖をついてそんな櫻井を愛おしそうに見つめる。

「今日はいろいろあったね。笑ったり、怒ったり、泣いたり。ねぇ、こっち見て？今どんな顔してるの？」

二宮の右手が櫻井の頬に触れる。優しく撫でるその手に、櫻井は顔をあげる。

「こんな顔してんの、見んなよバカ…」

「んふふ、かわいい顔してる」

二人の間には甘い空気が流れる。

「…翔ちゃん、目ぇ瞑ってよ。」

櫻井も男だ。そんな風に言われて気づかない馬鹿ではない。意を決して目を瞑った。

「ふふ、いい子」

二宮は静かに櫻井の唇に顔を寄せる。
触れ合うだけのキスに櫻井の緊張が伝わってきて二宮は笑ってしまう。

櫻井が目を開けると二人の目が合った

「…ちょ、おま、なんで目あけてんの！」

「いや、翔ちゃんもじゃん」

「お、俺は今！」

「今も最初も変わんないでしょう」

「かわるわ！」

「はいはい、うるさいなーもう。そりゃ好きな人がどんな顔で自分とキスしてるか気になるでしょ」

「…ばっ」

それを聞いた櫻井は耳まで真っ赤になってしまう。

「すぐ照れんね。」

「だって、ニノが恥ずかしいこと言うからだろ…」

「えー、わかんなーい。」

「…む、むかつく」

櫻井が赤い顔をして睨んでくるものだから、思わず二宮も笑ってしまう。

「笑うなよ！ニノのせいでこっちは…」

「ごめんごめん」

そう言って笑いながら櫻井の頭を撫でる。

「雨でびちょびちょだね。…翔ちゃん好きだよ」

「…ん、俺も」

「言ってよ、言葉で聞きたい」

「…俺も、すき」

聞いて満足したのか、二宮はもう一度、今度は深くキスをした。

どちらからともなく唇が離れても、二人の視線が離れることはなくて

だって、やっと君と一つになれたのだから。