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「は？いや、なんで？」
「翔ちゃんがくるから」
二宮はそう言うと櫻井に微笑みかけてくる。
櫻井は小声で「意味がわからねえ」なんて言いながら、机に腰を掛けて自販機で買った缶コーヒーを啜る。
「まだ翔ちゃんには意味がわかんなくてもいいんですよ」
なんて言いながら、二宮も櫻井の横に腰を掛けてくる。
二人で隣り合って机に腰を掛けて、窓から空を眺めて缶コーヒーを啜る。
今二人の間に会話はないが、なにかとても落ち着いた心地好い空気が流れていて
「一人もいいけど、二人で朝からゆっくりするっていう時間もいいね。なんか心地好い空間、落ち着くね」
なんて櫻井は二宮に話しかけてみる。が、二宮からの返答はない。櫻井は聞こえてないのかな なんて思いながら二宮の方を向いてみる
二人の目が合う。
「えっ、な、なに？」
「んふふ、そうだね。落ち着きますね。ずーっとこういう時間が続けばいいのにねえ」
何時からか、二宮は櫻井のことを見ていたようで。
二宮は櫻井に微笑みかけながらそう言葉を返した。
櫻井はその微笑みから目を背けるように缶コーヒーを飲み干した。
「えっと…あ！そういえば、ニノ髪型かえた？？」
「ん？あーはい。翔ちゃんがかっこいいって言うから前髪下ろした。お揃いなんでしょ」
「あーそんなこと言ったわ！うんうん、イケメン」
「元からだわ」
なんて他愛もない話をしていると時間が過ぎるのは早くて
「そろそろ戻ろっかー」
「そうですね、はー、やるかぁ」
「お互い頑張ろう！」
「翔ちゃん」
「ん？」
「行ってきます、頑張ろうね」
「いってらっしゃい！頑張ってね！………て、え？俺もいくけど」
「ふふふ、じゃーね」
二宮はクスクス笑いながら部屋を出ていく。
「よくわかんねえ」
櫻井もクスクスと笑いながら二宮の後を追うように部屋を出ていく。
櫻井が一人で過ごしていた朝の時間。
誰とも喋ることなく一人で外を眺めて人の観察をしたり、ただボーッと過ごす時間。
これからはもう一人増えるようで
一人で静かにぼーっとするのも素敵な時間ではあった。
だけど、二宮と話しをしたり、二人してぼーっとして静かな空気が流れたり…、そんな空間を心地好いと感じることができたり
なぜ二人の間に流れた空気に心地好い、落ち着くと感じたのか
二宮と二人で過ごす時間が素敵で幸せなものなのだと櫻井が気づくのは
それは、きっともうすぐ、
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作者名：モノ | 作成日時：2017年7月31日 21時
