君と Ⅱ. (ページ14)

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好きな人ページ14

櫻井はテレビもつけず、ただ携帯を見つめ相葉からの連絡を待っている。

俺に任せて、と言われ電話が切れてから一時間。

何をどうするのか、任せたはいいもののその後の事の進みかたがわからない。
電話がきて、じゃあそのあとは？というか電話がこなかったら、それは仲直りできそうにないってことなのか？とか、一人で考えてしまう。

相葉から電話が切れてから30分ほどして、考えて考えて…一度自分から二宮に電話をしてみたが通話中だったようで電話は繋がらなかった。

相葉が二宮に電話をしているのか、と思い今まさにその結果を待っているところだ。

「あーーーー、もうこんなになるなら気にせず自分から謝っとけばよかったまじで…」

プルルル……

「！！！、っはい、もしもし！！」

『はええ、翔ちゃん！待ってたんか、ごめんごめん、あと本当にごめん。やり方間違えたかも！』

「……えっ」

相葉は、櫻井と初めてあったあの瞬間に恋をした。
そんなことは人生生きてきた中で初めてで。

同性を好きになった友人が回りにいて相談を受けたりもあった。好きになった人が今回は性別が同じだったってだけだよね！別にいいと思う！相葉はそんな風に相談にのっていた。

だけど、自分がそうなる、とは思ってもなかった。
だけど相葉は彼を一目見て恋をした。
その瞬間頭の中で自分に言ったのだ、今回は俺が好きになった人が同性だったそれだけだよ、全然いいよ！と。

好きになれば、その瞬間からイケイケドンドンである。

こまめに連絡はとった。メールを送ればしばらくして返信が返ってくる。何度も連絡をとれば彼の人となりがわかるようになった。優しくて、人を無下にしない、誠実なんだろうな、好きだ、と。

電話をすればどんな話をしても笑ってくれた、優しく笑う声も好きだが大きな声で笑う彼も好きだ。大きな口を開けて笑ってるのかな、なんて顔を想像するのが楽しいのだ。

初めて会った日以来、会うことはなかった。
髪の毛を切るから、と自分の仕事場に誘ってみたがなかなか予定がとれなかったようで

しかしある日、行くよ、と連絡がきた。でも友達を連れていくとあったので、少し悲しくなった。

そうして連れてきた友達が二宮だった。
初めてあったその瞬間に、自分を見る目と櫻井を見る目が違うものだとすぐに気づいた。そして同じように櫻井が二宮を見る目も、自分を見る目とは少し違うと思った。

自分は好きな人のために頑張ろう、瞬時に思った。