君と Ⅱ. (ページ12)

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相葉は、悲しいなー親友止まりかぁ、なんて言いながらでも楽しそうに、俺に任せて！なんて言ってくる。

「任せてって、どういうこと？」

「俺って結構女の子から彼氏と喧嘩したどーしよう、みたいな相談とかされたりするんだけど、もれなくラブラブに戻してきたから！」

「いや、待って待って…恋人たちの喧嘩とは訳が違うっていうか…俺喧嘩とか今まで縁がなかったからほんとに困ってるんだよ相葉くん……」

櫻井がそう言うと相葉は笑いながら、わかってないねー翔ちゃんは、なんてバカにしてくる。

「今日ニノと初めてあって、翔ちゃんとの話を聞いたりしたけどさ何度か言い合いしたんだって？俺も友達とたまーに喧嘩するけどさ、全然違うよ男同士の喧嘩って。だから思うの、二人の喧嘩って恋人のそれと一緒だよって」

「なにいってんの相葉くん…」

「話聞いてて思ったけど、二人を比べるとニノちゃんのが分かりやすいんだよね」

「いや、だからなにを言って…」

「まあまあ、俺に任せてよ！」

だから俺に任せて！またあとで連絡する！翔ちゃん好きだよ！なんて、訳のわからないことを最後に言って電話が切れた。

ただ櫻井は相葉の言った、俺に任せて、という言葉にすごく救われたようで。
話の最中に、恋人同士の喧嘩だのなんだの言われたが、それでもいいから二宮とは仲直りしたかったわけで

自分一人だとどうしたらいいか考えることができなくて、仲良くしてくれる相葉に全面的に頼ってしまって…

自分でも情けないな、と櫻井は思う。
それでもどうしたらいいのかわからなくて自分から行動ができないから、相葉からの言葉に救われた。

こんな経験はないから、なんてそんなの言い訳だろ、逃げてるだけだろ、と思われても仕方ないのだ。

「はぁ～……、ニノと関わってから大変なことばっかだな…」

同期なのに話したこともなかったのが嘘のように、今では二人でいたって社内で騒がれることもなくなった。

話すようになっていろんなことも知った。二人でいるときの二宮は櫻井にしかみせない顔がある。馬鹿にしてきたり、ふざけてみたり…こんな友達が学生時代にいたら最高に楽しかったんだろうな、なんて櫻井は思うのだ。
二宮は男性がキライらしい、それでも男の櫻井に優しくしたり気遣ってくれる面もある。
そういう面に触れると櫻井は、本当に友達になれたんだな、と実感するのだ。

だからこそ、二宮とはずっと仲良くしていたいわけで

初めての本当の友達なのだから。