君と Ⅱ. (ページ11)

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相葉のせいだ。

なんて思いながら二宮は櫻井の後ろを歩く。

家が近いから途中までは確実に一緒の道を歩かなければならないのだ。
二宮は少しずつ歩を速めて櫻井の隣を歩こうとするが、その行動を察して櫻井も自分の歩を速めてそれを阻止する。

さすがの二宮もそんなことをされていると悲しみの感情に加えて、少しずつ苛立ちも募ってくるわけで。

「あーもー、なんなの。その態度で怒ってないわけねえじゃん」

二宮のその声は届いている筈なのに、櫻井は歩みを止めない。

遠くなっていく後ろ姿に、バカと一言小さな声で言葉をかけて二宮は踵をかえす。

「…なにをやってんだ俺は」

櫻井が家に着いてすぐにあげた第一声。

二宮が自分の話をきかないから、二人でいるのに他のことを考えてるから、そんなことで少しずつ自分の中でモヤモヤした気持ちが募ってきて。

さっきまではあんなに楽しそうに相葉くんと話していたのに、あんな無邪気な笑顔見たことない、とかそんなことも考えたらイどんどんライラしてきて。

その結果二宮に話しかけられても冷たい態度しかとれず、終いには無視までしてしまったわけである。

「俺は女子かよー…あーーー」

相葉と二宮が仲良くなれてよかった、それは櫻井の本心である。

でも二宮の自分には見せない態度だったり表情に、少し嫉妬している自分がいて

「なにを嫉妬してんだ俺は…気持ちが悪い…。友達同士が仲良くしてくれて嬉しいんだろ、なにをしてんだ俺……」

櫻井は二宮に謝らなくては、と思い携帯を開く。

連絡先から二宮を見つけて電話をかけようとするが、手が止まる。

(たぶん俺と話したくないよな…)

こんなにも感情を露にして人と接したことは初めてで、何をするにも怖じ気づく。

プルル…プルル…

突然鳴る携帯。差出人は…

『もしもーし！今日はありがと翔ちゃん！』

「あ、相葉くんか…」

『なにそれ、ガッカリすんなよー。声に元気ないね？どしたの』

「あ、や、それがね…」

二宮との出来事を一通り伝える櫻井。
自分の気持ちもなぜか相葉には素直に伝えることができて、どうしたらいいか、と相談してみる。

『バカだねー！どっちも！！』

「笑うなよ…」

うひゃひゃ、という笑いが収まるまで櫻井は静かに相葉からの返答を待つ。

『…いやー、あはは、ごめんごめん。俺はスタートラインにすら立てないって訳ねー、最高だね！さすがの俺も悲しいけどね！』

「え？意味わかんないけど…」