進む道には椿が落ちる。【SERVAMP】

いふ ページ8

「僕の兄さんの主人の妹だ。」



『………』
どうしよう…椿さんが私の名前知ってること以外はよく分からなかった…

兄さん…つまり椿さんにもお兄ちゃんがいて、そのお兄ちゃんが、の…?
えっと……何?いふ………??いふってなに…?
その、椿さんのいふが私のお兄ちゃん…?
じゃなくて椿さんのお兄ちゃんが…?



う〜ん、ややこしすぎる!

『椿さん、あの、いふって何ですか…?聴きとれなくて…。』
「いふ?ああ、主人のことね。いふじゃないよ。




　…イ…ヴ…。

　聴きとれた?」


椿さんは着物の袖で顔を隠して首を傾げる。
ゆっくり一つ一つ言葉をつむいでくれた椿さんのおかげでイヴと読むことは分かった。

『それで、そのイヴって…?』

私としてはスポーツチーム名とかだと思ってる。
椿さんのお兄ちゃんが卒業生みたいな。その名称がイヴっていうみたいな。
確率はすごく低いんだけど、私にはそれくらいしか思いつかなかった。
お兄ちゃんスポーツ得意だしね。

ちなみに私は一般人レベル。



「うーん、話すのめんどくさいなぁ。
　それにちょっと説明するとややこしいんだ。」

椿さんは私の目をじっと見る。
椿さんは名前のとおりの真っ赤な瞳をしていた。



　
そしてぽつりと呟いた。

「…君は何も知らないからね。」

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