進む道には椿が落ちる。【SERVAMP】

どうしてこんなことになったんだっけ．2 ページ4

『じゃあ私が醤油買ってくるよ!』
気が付くと私は叫んでいた。

少しでもお兄ちゃんの負担を減らすことを考えていたからだと思う。

そして靴を履いて私はスーパーに向かったのだった…。
お兄ちゃんの「あ、おい!」という言葉も耳に入れずに…。
いやだってお兄ちゃんが「俺が行く」って言ったらそれこそ本末転倒だからね。

● 〇 〇

そして

(あれ…スーパーってどこだっけ……)

私は見事に道に迷った…。
そういや私は高校生にもなって迷子放送ならされるほど方向音痴だった…。
思い返せばいつもどこでも外出はお兄ちゃんか叔父さんか友達と一緒だったな…。
うそでしょ…。高校生にもなって近所で迷うとか…。ほんとうそでしょ…。


(とりあえず人に聞かなきゃ)


すると信号を渡ってすぐのところに私はコンビニを見つけた。
コンビニの店員さんに聞こう、出来れば地図も書いていただこう
と信号を渡り、自動ドアに近づいた時、


…コン…


と高く軽い音が聞こえた。
振り返ってみても何もなかった。

(空耳……?
とりあえず早くスーパー何処か聞かなきゃ、待って醤油ってコンビニで売ってるかな??)
とコンビニの方を振り向き………



● 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇


『思い出した…』

私は醤油を買いに来て、道に迷って、それでコンビニを見つけて、入ろうとして振り向いたら……
この、謎の空間に…

すると私の呟きを聞いた目の先にいる男性は
「何を思い出したの?」
と私に問いかけた。

『えっと…』

知らない人、しかももしかしたら私をここに連れてきた?人にどこまで何を言っていいか分からず
ぼそっと口から零れ落ちた唯一の返答は




『醤油………です。』

だった。

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