進む道には椿が落ちる。【SERVAMP】

どうしてこんなことになったんだっけ ページ3

どうしてこんなことになったんだっけ??

目の先にいる男性を見つめながら考える。
そして軽くパニック状態の頭で無理やり今日の朝の出来事を思い出した。



たしか……




○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ●


最近お兄ちゃんは落ち込んでいる。
私や他の人に気を使って笑顔でいるから、
(気のせいかも?)と思っちゃうけど恐らく気のせいではない。
理由は分かってる。
お兄ちゃんと仲が良かった桜哉が学校から去ってしまったからだ。
不思議な事に何故か桜哉の顔が思い出せないけど……あんなに仲が良かったのだからショックが大きいんだと思う。


(せめて私が何か力になれたらな……)

『うーん……もふもふ。』
飼い猫をなでながら考える。
この猫はお兄ちゃんが拾ってきたんだよね。ずっと動物飼いたかったから正直すごく嬉しかった。
名前は確かクロ!!
お兄ちゃん学校にクロ連れてっちゃうくらいクロ好きみたいだし…自慢の飼い猫、だにゃー。



『クロちゃん可愛いですにゃーねー。もふもふですにゃーねー。』

「何変な猫語使ってんだよ…はいお茶。」
『お兄ちゃん。』

横を見るとお兄ちゃんが呆れた顔でお茶を差し出していた。
『ありがとう。』と言って受け取るとお兄ちゃんは横に座った。




(何かお兄ちゃんの力になりたいな……)
じっとお兄ちゃんの顔を見る。
すると視線に気づいたのかお兄ちゃんがこっちを見る。

「なんだよ?…もしかしてなんかあったのか?」
お兄ちゃんは本当に心配そうに私の顔を覗き込む。
本当に優しいよね。お兄ちゃんってばさ。

『ううん、なんでもないよ。』

するとほっとしたように
「そうかよ。なんかあったら言えよ?」
と私の頭をぽん、と撫でてくれた。
あー本当に優しすぎるよお兄ちゃんはさー…。



『お兄ちゃんこそ、困ったことないの??』

「えっ、うーん…いや、俺は…」
お兄ちゃんは私の質問に少し悩んだ後、

「あ、醤油が切れてたな…」と呟いた。

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