プロローグ ページ1
気が付かなかった。その音に。
周りの可笑しさに。
気が付けばもうただ白く囲まれた空間にぽつぽつと雨が降っているだけだった。
『……え??どこ此処…?』
自分が図太いのか急すぎて頭がついていかないのか頭の中はいたって冷静だった。
自分の手を顔にかざし足元を見てもこの謎の空間にいる前と姿は変わっていないようだ。
携帯をバッグから取り出してみると電波は圏外。
(どうしよ…とりあえず出口……)
周りを見渡しても出口はなさそうだから……ここは音か光……いや光は周りが白すぎて分からないから…音で探すしかなさそう。
こちらは兄譲りの行動力があるんだから。大丈夫、多分。……多分。
しゃがんで耳をすます。
今にも消えそうな雨の音があふれるように耳に響く。
きれいな音に思わずうっとりしそうになる………待て待てそれは駄目だ。
冷静になりすぎて忘れていたけどよくよく考えたらここに連れてきたやつがいるかもしれないのに、うっとりしたらマズい。何されるか分からない。
さすがに私自身でこの変な空間に来たわけではないと思うんだけど…
そんなことを考えていたら小さい音が耳に入ってきた。
高くて軽くて一定したリズムでどんどん大きくなる…大きくなる!?
(もしかしたら誰かが近づいてきてる!?)
慌てちゃだめだ、慌てちゃダメ。
落ち着いて逃げなきゃ!!
私は音が聞こえた方向と逆の方向に走る。
右も左もわからなくたって真っ直ぐ走れば行き止まりでも何処かにたどり着くはず!!
行き止まりだったら戻らずに曲がればいいのだ。
いやどうなるか分からないけど!!言葉の通り右も左もないけどね!!
走りながら後ろを振り向くと誰もいなく、いつの間にか音も止んでいた。
(離れたってこと…??とりあえずこのまま走り続ければ…)
『っ……!!ごめんなさっ……!!』
後ろを見ていたせいで誰かにぶつかってしまった。
反射的に誤ってしまったが許してもらえるだろうか…いやでも追われてることを話せば……、
…………ん……?
私……誰にぶつかって…
恐る恐る上を向くと着物を着てサングラスをかけた知らない黒髪の男性が立っていた。
その人は笑顔で私を見て、一言「こんにちは。」と言った。
『誰………?』
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MONO(プロフ) - いつもより少なくなってしまいました。。これからノリを取り戻していきたい(汗) (2018年8月8日 15時) (レス) id: 03d58460ad (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - つばきゅんベルベル☆★☆★さん» お褒め頂き感謝です………!、とても嬉しいです…!!(感激)これからも頑張ります!!! (2018年4月17日 19時) (レス) id: 457fc45337 (このIDを非表示/違反報告)
つばきゅんベルベル☆★☆★(プロフ) - 面白い!!これからも頑張ってください!とてもいい小説ですね!( ^ω^ ) (2018年4月17日 15時) (レス) id: 4b01881c6e (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - うわ〜〜〜〜〜作者の脱字が凄い〜〜〜〜〜(汗) (2018年4月14日 18時) (レス) id: 457fc45337 (このIDを非表示/違反報告)
MONO(プロフ) - 火鞠さん» 作者が現在多忙なので、出来る限り出来る限り早め更新するよう努力しますね!! (2018年4月14日 18時) (レス) id: 457fc45337 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MONO | 作成日時:2018年4月13日 16時