＊ ページ30
彼の口から語られたのは、大晴くんが抱えていたたくさんのこと。
私は誠也くんから話を聞きながら、
大学、凱旋公演、たくさんの仕事を同時に抱え、
そのプレッシャーをもろに正面から浴びて、
そして、無意識のうちに、
全てを全力でやりこなそうとする彼の姿が、ありありと浮かんでいた。
さらに、肝心なのは、
本人が自分の抱えているプレッシャーに気づくのが、自分が壊れてからだということ。
「なんかな、俺も全然気づかんかってん。
けど、リハ終わりにな、
荷物全部おいて、あいつ帰ってこんかったらしくて。
おいてった荷物、開けて見てみたら、
ペンやらゴミやら、もうめちゃくちゃに詰め込んであって。
なんか、...よう言われへんけど、
異様な空気やったんよ。」
それからしばらくして、メールが１件だけ、
少し時間が欲しいとの連絡が来たらしい。
「それでな、ほんまは...俺、勘付いとってん、その時に。
もしかしたらここちゃうか〜、って。
...でも、なんか怖くて、来れへんかった。」
いつの間にか、マスターがカウンターに手をおき体重をかけ、
じっと俯いて、私たちの話に聞き入っていた。
珈琲が少し冷めてきたことを感じ、早く飲み切らねばと急ぐ。
「＿＿＿＿＿で、なんで大晴はおらんの？」
その質問が投げられる前には、私の珈琲はなくなってしまっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 85人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もんきー(プロフ) - ぱちさん» ありがとうございます♪これからもがんばります(*´-`) (2019年9月9日 12時) (
レス) id: 4eaf4f2a0b (このIDを非表示/違反報告)
ぱち(プロフ) - 誠也ああああ（ ; ; ）出てきたああああ！！って喜んだ末澤担です。すごい惹きこまれる作品です！これからも応援しています♪ (2019年9月8日 9時) (レス) id: ac613d93b7 (このIDを非表示/違反報告)
もんきー(プロフ) - しげつぐ。さん» ありがとうございます！喜んでいただき光栄です。また更新するので、ぜひまた読んでください！ (2019年8月21日 14時) (レス) id: 4eaf4f2a0b (このIDを非表示/違反報告)
しげつぐ。 - 大晴くんのお話嬉しいです！これからも更新頑張ってください！また、見ます！ (2019年8月21日 0時) (レス) id: 693825418e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もんきー | 作成日時：2019年8月11日 17時
