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「...、俺のこと、嫌い、...ですか、?」



彼から発された声は、思ってた以上に弱っていて。

『...なんで、そう「だって...!



あの日からずっと、来てくれなくて、

俺が偉そうな口叩いたからかなとか、


...うまく、Aちゃんのこと、励ませてなかってんなとか、


こんなにずっと一緒におったのに、俺全然、何にも、でけへんやんとか、




...めっちゃ色々考えて、わからんくて、


やっぱり、俺っ...Aちゃんにとって、...こう、大切な、存在に、なれてへんねんなって...

...俺、は、こんなにAちゃんのこと、大切に、というか、
ほんま、ただ、...Aちゃんに、たくさん助けてもらったもの、返したいのに、」






しゃくりあげながら、彼は必死に言葉を紡いでいく。



そんな必死な彼に、私はどう向き合っていただろうか。








気がつけば私は、彼の隣に座り、
ブランケットの上から彼を抱きしめていた。



『...ごめん、』



私は、自分が泣いていることを認めまいと、彼のブランケットに顔をうずめる。



「...なんで、Aちゃんが、謝るん、


謝らんでや、」





彼はまだ、肩をひどく震わせている。





『...好きやで。



嫌いなわけないやんか、もう...


ほんまに、めっちゃ、もう大好き、やから...』




私は彼を、もっと強く抱きしめ直す。



『だから、大晴くんに依存しそうで、


頼りきってしまいそうで、怖かってん。




逃げてしまっただけやねん。ほら、私、弱々な人間やから、』



いつの間にか、彼の肩は震えをしずめるように、大きく深呼吸している。

私は彼を、抱きしめながら、力強くさする。
彼が5日前にしてくれたように。



『だから、ごめん。



ちゃんと、大晴くん、何かを乗り越えようとしてるのに、

私は一人で勝手に、適当にやり過ごそうとしてもうた。』






ほんま、ごめんなあ、と、彼の背中あたりに顎を乗せてつぶやくと、

彼がブランケットの中で、首を横にふるのがわかる。




彼も、私も、弱いんだから。

ちゃんと、向き合わないと。




あの日少し残した彼の珈琲のことなんて、もう覚えていなかった。

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もんきー(プロフ) - ぱちさん» ありがとうございます♪これからもがんばります(*´-`) (2019年9月9日 12時) (レス) id: 4eaf4f2a0b (このIDを非表示/違反報告)
ぱち(プロフ) - 誠也ああああ( ; ; )出てきたああああ!!って喜んだ末澤担です。すごい惹きこまれる作品です!これからも応援しています♪ (2019年9月8日 9時) (レス) id: ac613d93b7 (このIDを非表示/違反報告)
もんきー(プロフ) - しげつぐ。さん» ありがとうございます!喜んでいただき光栄です。また更新するので、ぜひまた読んでください! (2019年8月21日 14時) (レス) id: 4eaf4f2a0b (このIDを非表示/違反報告)
しげつぐ。 - 大晴くんのお話嬉しいです!これからも更新頑張ってください!また、見ます! (2019年8月21日 0時) (レス) id: 693825418e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もんきー | 作成日時:2019年8月11日 17時

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