【短編集】短め置き場【d!】 (ページ7)

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求婚する総統と総統秘書(gr)/軍パロページ7

「総統、おはようございます」
「ああ、Aか。おはよう。…珈琲か。良い匂いだ。」

私はこの国をまとめる総統─グルッペン・フューラーの秘書を務めている。

「本日は午前は書類、午後は幹部会議の後オスマン様と外務打ち合わせが御座います。追加の緊急業務などはございますか？」
自分の手帳をペラ、と捲りながら目の前で珈琲を啜る総統を見る。

丁寧に整えられた金髪がサラサラと風に揺れる。髪と同じ金色に縁取られた赤い瞳は、珈琲を一瞥した後、私に向けられる。

「いや、特には…いや待て。１つあった。」
「…なんでしょう」
少し、嫌な予感がする。

先ほど珈琲を写していた瞳が、私を射抜く。

「少し君に頼みたいことがある。」
「…私に出来ることであるなら、最善を尽くしましょう」

ことり、と彼がマグカップを置く。
くると回転椅子を回して窓際まで歩く。
ふわり、と彼の髪がまた爽やかな風に靡く。

「…総統？」
私からは彼の表情は伺えない。肩幅の広い、彼の背中だけが見える。

「私と、結婚してほしい。君のことが忘れられないんだ、ずっと。君の珈琲が愛おしくて堪らない。どうか、俺とこの国で過ごしてほしい」

彼が振り返る。
私と総統の間に爽やかな風が吹く。

「A…」

総統の瞳が、私の瞳を射抜く。

「総統…」