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『いいですよ。オール、付き合います』
「お、やったやん!華が出来たわぁ」
ケラケラと笑うコネシマさん。トン氏は「ほいじゃあ俺はグルさんに確認とっとくわ」と出ていった。
「ほんなら7時に下のロビーで待ち合わせやから!よろしく!」
コネシマさんもそう言い残して机から離れていった。
これは、仕事早めに進めなきゃ。
そう思いながら、私は目の前のキーボードを叩き始めた。
『すみません、お待たせしました』
私がロビーに降りた時には、私以外の方々はみんな集まっていた。一応時間には間に合っている。が、待たせたのは事実。
化粧直ししたりしてたら意外に時間がかかってしまったのだ。わたしのばーか....!!
『ごめんなさい、急ぎはしたんですけど』
「ええよええよ、気にせんで。ほな、行こか」
コネシマさんのその一声で集団が動き出す。
「お前、定時にはデスクにおらんかったやん。何しとったん?」
さりげなく隣に並んだのはトン氏。
『化粧直しやら何やら。華金とはいえど化粧崩れは恥ずかしわ』
「あー....俺には分からへん世界やな」
『流石童貞拗らせてるだけあるわ』
「やかましいわ!!関係ないやろ!!」
はははは、と笑うと笑い事ちゃうぞほんまに!と怒られる。
『ほんまトン氏に彼女出来へんの理解できひんわ』
「あぁ?」
『こんなええ男ほっとくなんかホンマ世の中の女は見る目ないわぁ』
「.....」
唐突に黙り込んだトン氏。
『トン氏?』
その顔を覗き込もうとした瞬間、後ろで金髪が煌めき、腕をひかれた。
「おう、久しぶりだな」
『グルッペンさん』
うちの班の班長、グルッペンさんだ。最近までニジェールに出張していた、らしい。真相は分からないが何かと忙しい人だ。
「暫く見ないうちにまた美人になったな。俺は嬉しいゾ!」
『謎の口説きをありがとうございます、お父さん』
「お父さん!!!アーッハッハ!!!」
そっと聞き耳を立てていたらしいコネシマさんが豪快に笑う。
「この年でお父さんと呼ばれるとは思わなかったな。せめて旦那と呼んでくれ」
『ありがとうごぜえやす、旦那』
「何故江戸っ子のノリで来たんだ」
苦笑いするグルッペンさん。はいはい、もう分かってますよ。
『ふふ、久しぶりにお会いできて嬉しいんです。おかえりなさい、グルッペンさん』
そういえばおかえりって言ってなかったなぁと思って言った一言。グルッペンさんはただ、「あぁ、ありがとう。ただいま」と返しただけだった。
3→←同い年だと思い込んでたけど実はトントンが年上だった系同僚
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作者名:都 はなれ | 作成日時:2023年4月11日 21時