出会い19 ページ21
神名side
長里がAを好き、か………
なんとなくは分かっていたが、面と向かって言われるとやっぱり焦ってしまう。
Aは可愛いし、性格もいいから昔からモテる。
人見知りに見えて関わると案外話しやすくて、そんな魅力がまた男を引き寄せる。
でもあんまり男子と居るのは見たことなかった。
だから、心の何処かで安心してたんだ。
ホントはよく分かってたのに。
長里『コイツのこともちゃんと考えてやってくれよ』
「……分かってるよ」
俺だって誰にも譲りたくないし、誰かと居るのを見ただけでも嫉妬する。
それに、苦しそうな顔も見たくない。
でも、でも、俺は………
「好きだよ、A」
俺は寝ているAの額にキスをした。
「ごめん、こんなのズルいよな。でも…いつかは伝えるから。待っててくれ、A……」
俺はAの手を握り、そのまま意識を手放した。
Aside
「ん……」
目が覚めると、真っ白な天井が視界いっぱいに広がっていた。
起き上がって周りを見渡せば、どうやらここは保健室で。
手に違和感を感じて見てみると、そこには神名くんが眠っていた。
あ……そっか、私…倒れたんだっけ……
寝起きで働かない頭で私はぼんやりとそんなことを思った。
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作者名:スガ | 作成日時:2020年6月29日 21時