出会い17 ページ19
神名side
「A……」
あの後、先生はAの親御さんに連絡してくると言って保健室を出ていった。
俺はAの横にある椅子に座って、Aの顔を見つめてそう呟いた。
「あの時、Aは……」
A『幸太……?』
俺の名前を確かに呟いた。
それはAが俺のことを思い出したということなんだろうか。
でもその後、Aは苦しそうに倒れてしまった。
「Aにとって俺との記憶は……」
長里「1番思い出せない記憶だよ」
その声にバッと顔を上げると、ドアの所に長里が寄りかかっていた。
「長里……」
長里「Aが倒れたって保健の先生に聞いて、Aの鞄持ってきた」
「あ、ああ、ありがとう……」
長里は棚の所にAの鞄を置くと、Aの顔に手を伸ばした。
長里「……なぁ、神名。コイツが事故に合ったこと、知ってるんだろ?」
「……ああ」
Aの髪を優しく撫でながらそう言う長里。
すると長里は「やっぱりな」と呟いた。
長里「お前だろ、Aとの約束の相手」
「えっ?」
コイツ……何で……?
確信を持った目で俺を見る長里から俺は目を逸らすことができなかった。
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作者名:スガ | 作成日時:2020年6月29日 21時