出会い16 ページ18
幸太side
俺のところに寄ってきたAは突然頭を抱え出した。
「ホントに大丈夫?頭痛いのか?」
A「う、うん、大丈夫、ごめん、ごめんね……」
そう言って顔を上げたAと目が合った。
すると……
A「幸太……?」
と小さく呟いた。
「え?今……」
するとその時、Aが苦しそうな声をあげて、パタリと倒れた。
「A…?Aっ!おい、おい、A!A!」
何度呼び掛けてもAは苦しそうな顔をしたまんま目を開けない。
「……〜っ、くそっ!!ちょっと待ってろよ、A!」
俺はAを抱えて、そのまま保健室に向かった。
保健室に着くと、保健の先生は驚いた顔をしながらもAをベッドに寝かせてくれた。
「Aは大丈夫ですかっ!?」
先生「何があったかは分からないけど、気を失ってるだけだからしばらく寝かせれば大丈夫よ」
「……はあ、良かったぁ……」
先生「……フッ、そんなに大切なのね。Aさんのこと」
「えっ!?せ、先生!?」
面白そうに笑う先生に、少し恥ずかしくなった。
先生「照れなくてもいいのよ。この子の過去のこと、知ってるんでしょ?」
「……はい」
先生「小学校が同じだものね。この子は知らないだろうけど」
「先生も知ってるんですね、Aのこと…」
先生「話は聞いてるわ。記憶喪失はいろいろと不便だろうから。まあこの子の場合は思い出だけが消えてしまっているようだけれどね」
そう言って先生はAの頭をそっと撫でた。
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作者名:スガ | 作成日時:2020年6月29日 21時