お隣さま。番外編 【はじめしゃちょー】

遊園地デート 1 ページ18

※補足→『陽太』とは本編に登場する甥です。


Aside





遊園地に来たときのこと。


「わ〜懐かしい…！」

「うんうん。 前は陽太と３人で来たもんね」


大勢の人で賑やかな雰囲気。
ほんと、変わらない。


「はいっこれ。忘れ物！」


そう言って、はじめさんは私の頭にキャラクターの帽子を被せる。

そういえば前も被らされたな…。
はじめさんもほんと、変わらない。


「はじめさん、これ好きだよね」

「えっ！ もしかしてA、こういうの嫌い？」


被せといて心配そうな顔をするはじめさんに思わずふき出す。


「はじめさんと一緒なら嫌じゃないかな」なんて言ってみると、「Aってたまにズルいこと言うよね」って真っ赤になるから、更に笑ってしまった。




ーー



「 イェーーーイ！！」

「ちょっと、静かに！」


なんのアトラクションに乗ってもとにかく高いテンション。
懐かしいやりとりに、呆れを通り越してもう笑いが出る。


…もうそろそろ帰る時間かな？

腕時計を見てそう思ったけど、はじめさんは「まだだよ！」って繋いだ手を引いてずんずん歩いていく。


「…あれ？ 前こんなのあったっけ？」

「ううん、新しく出来たらしいよ」


目の前。いや、見上げた先には観覧車。
その大きさに思わず圧倒される。


「おめでとうございます！ すごく運が良いですね。２名さまどうぞ〜」

「ほら、ボーッとしてないで乗ろう！」

「あ、うんっ」


促されるままにゴンドラの中に足を踏み入れた私には何がおめでたくて運が良いのか、まだ理解できていなかった。

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