憧れ3 ページ35
友哉君のマンションは、広くはないけれど、センスの良い部屋だった。
私がキョロキョロしていると、
友哉「麻衣の家に比べると狭くて貧乏だろ。」
麻衣「ううん。お洒落でかっこいいよ。」
友哉「母さんの部屋は仕事部屋兼、ベッドルーム。玄関入ってすぐの部屋。俺の部屋は基本リビングルームで、」
友哉君は、リビングの引き戸をガラガラって開けた。
友哉「ここが寝る部屋。」
リビングに続いた狭い部屋には、お布団が敷かれていた。
美樹「あっ!またお布団片づけてない!よくそれで女の子に見せるわね!」
友哉「あっ、マズった〜(笑)。」
言葉とは裏腹に満面の笑みの友哉君がおかしかった。
友哉君のお布団の部屋には整理ダンスがあって、その上にはサッカークラブの集合写真があった。
麻衣「あっ、サッカーチームの写真?」
美樹「麻衣ちゃん見る?」
そう言って、友哉君のママは写真を持ってきてくれた。
たぶん、小学校くらいのクラブの写真。
美樹「その頃は、友哉もまだ私より小さくてかわいかったけど、いつの間にかこの図体。」
写真の友哉君は背は今より低いんだろうけど、今とほとんど変わらない笑顔で笑っていた。
そして、その写真の一番後列のはっしこに、ひと際白い肌で並んでいたのは、アリーだった。
麻衣「アリー・・・。」
私は思わず口に出して呟いてしまった。
麻衣「友哉君、横浜にいたの?」
友哉「うん。アリーのこと知ってんの?・・・そっか、内田コーチと吉田監督、友達だもんな。家族ぐるみの付き合いって事か。」
麻衣「ん、まぁ。でも、たまにしか会わないけどね。」
友哉「アイツ、サッカーやってんの?」
麻衣「一時休んでたんだけど、最近、またやりだしたらいいよ。」
友哉「そうなんだ、怪我?」
麻衣「ん〜、その辺は良くわからないけど、怪我ではないと思う。」
友哉「そうだよな、親同士の付き合いだもの、知るわけないよな。」
友哉君はそれ以上私にアリーの事を聞いて来なかったし
気に留める様子はなかった。
私は、まさか友哉君とアリーが繋がっているとは思わなかった。
友哉君といて、楽しかったのに、
アリーの事を考えると、胸の奥がざわざわする感覚がした。
麻衣「あっ、もう、こんな時間。帰らなくっちゃ。」
美樹「また、いらっしゃいね。」
麻衣「はい、ありがとうございます。」
友哉君に最寄りの駅まで送ってもらった。
電車の中で、アリーにラインしてみたけど、
既読になっても返事はなかった。
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minja(プロフ) - どっちとくっつくか、それはモニカさんに全面お任せしています 笑 本編の“My Love”タトゥーがどう絡んで来るのか、楽しみ! (2014年4月7日 19時) (レス) id: 6600b5ef3d (このIDを非表示/違反報告)
モニカ尾藤(プロフ) - minjaさん» そりゃぁもう、最初から登場人物紹介は3人だけですからネ。どっちとくっつくか大募集中です(笑) (2014年4月2日 21時) (レス) id: 4207d3535b (このIDを非表示/違反報告)
minja(プロフ) - 麻衣ちゃんと志の頃の美樹ちゃんが重なって見える? アツトと修哉のライバル関係が再現されるんでしょうか?更新楽しみです。 (2014年4月2日 19時) (レス) id: 77b8aff7cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モニカ | 作成日時:2014年2月19日 11時