deva loka(絆）2

恋1 ページ25

麻衣です。

アリーとスマホの連絡先を交換してから、私はアリーにしょっちゅうラインしてたけど、アリーから返事が来るのは５回に１回くらいだった。

既読って読んでるのに返事が来ないのを友達達は嫌がるけれど、私は読んでるって思うだけで安心できた。

パパ達が家族ぐるみで遊ぶから、たまには会うんだけど、だいたいは隼と３人セットだから、兄妹としてしか関わっていなかった。

アリーが中学に入ってからは、あまり名古屋にも来なくなったし、パパの仕事で上京がてらアリーの家に寄っても、アリーが家にいない事が多かった。

アリーはサッカーもやらなくて…私はアリーがサッカー選手で世界を飛び回ることを前提にしてキャビンアテンダントか通訳目指してるに。

アリーがサッカーやらないんだったら、サラリーマンの妻を目指せばいいのかな？

それでも、アリーは１年生の２学期からサッカーを始めたみたいで…

私はホッとして、やっぱり、キャビンアテンダントねって思った(笑)


ライン

麻衣「今日は何してた？」

たまにしか反応のないトークを打つ。

アリ「教室。」

珍しく、すぐに返事が来る。

麻衣「何の？」

アリ「英会話。」

えっ？私は怒ったスタンプを打つ。

アリ「なんで怒ったスタンプ？」

麻衣「だって、アリの通訳は私がやるんだもん。」

アリ「この顔で喋れないとバカにされるし、試合中は通訳なんてサ、監督じゃあるまいし。」

確かにそうだけど…じゃあ、私はキャビンアテンダント一本に絞って進むだけよ！って思う。

男って、本当に勝手。

アリ「麻衣。」

麻衣「何。」

アリ「俺、サッカー選手目指すから、サッカー仕事にするから。」

麻衣「当たり前でしょ。稼いでくれなきゃ困る。」

アリ「(笑)」

サッカーを始めてからは、前より、ラインの反応が良くなったような気がするアリー。

でも、水泳の話とか、ヨガの話とか、料理の話とか…

本当に、サッカー選手になる気はあるんだろうかって時々思った。

でも、アリーが一時期沈んでいたのはわかっていたし、最近は浮かんできているのがわかる。

ポーカーフェースのアリーの気持ちを掴むのは、小さい頃から一緒にいる私だからできる事かもしれない。


私も中学生になり、アリーは２年生になった。

アリーのマネをして私立の中学に入った。

新しいお友達もできた。

パパはユースのコーチから監督になった。

パパのユースにはアツトのチームから新戦力が入った。

鈴木友哉君っていう子。

恋2→←決心4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す