deva loka(絆）2

コーチの息子2 ページ2

クラブに聞いて、コーチの了承を得て、地図を見ながら内田コーチの家を探した。

俺の家から自転車で十分いける所にその家はあった。

家の前には、マウンテンバイク誰が乗るのだろう？

家の前の呼び鈴を押す。

「はーい。」

インターフォンから、女の人の声がした。

友哉「鈴木です。コーチにお祝い届けに来ました。」

ガチャってロックが外されドアが開いた。

中からコーチの奥さんと思われる人が出てきた。

「アツトから聞いてました。本当は家にいる予定だったんだけど、車が渋滞しててちょっと遅れるって、中で待ってて、ケーキもあるから…」

どっかで見たような人だったけど、誰だっけ？

俺はプレゼント置いてすぐ帰っても良かったけど、はっきり言ってケーキにつられた。

友哉「おじゃまします。」

いい匂いのする玄関を抜け、茶の間に通される。

リビング？うちは茶の間。

赤ちゃんの鳴き声がする。

「鈴木くん、ここに座ってて。杏、ハイハイ。」

皮の白いソファーに座って、辺りを見回す。

うちとは違ったお洒落な部屋。

いつか自分もサッカーで成功してこんな家に住みたいって思う。

“ただいま〜”玄関から声がして誰かが帰って来た。

内田コーチ？緊張して待つ。

だって、会話はした事ないし、ちゃんと挨拶しなきゃって…俺は立った。

ガチャってドアが空いて入ってきたのは、

アリー？だった。

アリ「来てたの？」

友哉「なんで？いるの？」

アリ「なんでって？ここ、俺の家。」

「アリー、お帰り、ケーキあるわよ。手洗ってらっしゃい。」

奥から、コーチの奥さんが赤ちゃんを抱っこしてやってきた。

そうだ、この人、アリーのママだ！

俺は心の中でいろいろ整理。

内田コーチがアリーのママの再婚相手って事ですか？？

うちの母さんも再婚したらどうしよう・・・

俺にも小っちゃい妹できるのかな？

「アリー、杏、抱っこしてて。アリーは牛乳ね。鈴木君は？」

友哉「あっ、僕も牛乳で。」

アリーは赤ちゃんをあやしていて、赤ちゃんもアリーを見て笑っていた。

友哉「あっ、そうだ。これっ。」

俺は袋の中からテディベアの縫いぐるみとサッカーボールを取り出した。

アリ「サッカーボール？女の子だぜ？」

友哉「だってコーチの子だろ、なでしこだってあるじゃん。」

アリ「あっそうか…杏はファッションモデルになるって決めてたよ。ありがとう。」

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