deva loka(絆）2

コーチの息子1 ページ1

俺は鈴木友哉。

サッカーをやっている。

俺の父さんは生前、スポーツトレーナーをやっていて、内田アツトのトレーニングを担当した事もあるみたい。

父さんの自慢。今の内田があるのもって話。

内田選手は本当にすごい選手で、母さんが良くテレビで見てるから俺も当然憧れてしまう。

あんな風に日本代表選手で活躍したい。

でも、母さんは内田の顔が好きなんだと思う。

だって、死んだ父さんは、内田選手以上にイケメンで…母さん本当に面食いだよね(笑)

兄ちゃんは母さんが好きな内田アツトは嫌いみたいだけど…ヤキモチか(笑)？



小さい頃から、サッカーをしてきたけど、母さんの転勤で、この横浜に来た時は小学校4年生だった。

地元のサッカークラブに入った。

そこはあんまり強いクラブじゃなくて、先輩たちをサッカーで蹴散らした。

先輩はいなくなり、俺がキャプテンになった。

俺が高学年になった時、下の学年に上手い奴が入ってきた。

見るからに外人なあいつは俺達に一切媚びることなく、マイペースで自分のやるべき事を淡々とこなしていた。

あいつのお母さんは時々、クラブの試合見に来るから知ってるけど、日本人だから、父さんが外国の人なんだろうな…みんなもそう言ってるし。

俺だって、媚びたりするタイプじゃないから、普段はあいつと口をきかないけど、一度試合となるとちゃんといいタイミングでパスをやり取りできる。

なんか、あいつとはどっかで繋がってる感じがする。


それから、俺は中学生になり、少年サッカークラブは卒業。

横浜のサッカーチームのジュニアユースに入った。

そこのコーチはなんと内田アツト！

俺は憧れていたから、入りたいって母さんにお願いして、テスト受けたら入っちゃった。

母さんは今まで、サッカークラブの試合なんて滅多に見に来ないけど、これからはちょくちょく見に来たりして(笑)

仕事の忙しい母さんだけど、俺の事見に来て欲しいんだ。俺ってマザコンかな？

内田コーチとの練習は楽しくて、いつも一緒にボールを追っかけてくれる。

世界レベルのプレーを間近で見れるって、すごいよね。

このクラブ入って良かったよ。

俺がジュニアユースに入って少しして、内田コーチの家に赤ちゃんが生まれたみたい。

ママ達主導だけど、俺達から誕生祝を送ることになった。

チームのユニを着た特注のテディベアと、転がすと鈴が鳴るサッカーボールの縫いぐるみ。

で、一年坊主の俺が自宅へ届けることになった。

コーチの息子2→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す