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お義母さんの心の中の氷の欠片 ページ10

『お母さんに挨拶して行くから…』
「えっ!?今日?お母さん、岳がいきなり現れたらびっくりするよ。」



Aの家に着き、母親に挨拶しようとすると、



Aから、ダメ出しをくらう。



「それに、町の噂の事でこれ以上柴崎家に迷惑かけられないって…」



そっか、Aは母親に俺の事言って、反対された事があるんだ…



母親に反対されるって、きっとショックだったに違いないし、



まして、その理由が本人達にはどうする事もできないただの噂なんて…



俺は絶対納得できなかった。



『なら、なおさら今日だな。柴崎家迷惑じゃないって、俺伝えるから。』



俺は車を降り、助手席のドアを開けた。



そこに座る不安そうなAに



『2人でちゃんと話してみよう。』



って言って、手をとった。



「ただいま。」
『おじゃまします。』



Aに居間に通されて、正座して待つと、



すぐに奥からAお母さんが出てきた。



お母さんは俺の顔を見るなり硬い表情になる。



俺も、ハンパな気持ちじゃ行けない。



『初めまして、Aさんとお付き合させて頂いてる柴崎岳と申します。』



母「ダメって言ったよね…」



いきなりのダメ出しに、まずは誤解を解かないと…



『父は町の噂なんて気にしてなくって、逆に離婚したAのお母さんを心配してました。』



母「離婚したのは、私達の問題だし…それに、あなた達は勝手にして良いわよ…」



Aが勝手にするような性格じゃないって事は解っていた。



『Aは、自分より人を優先させて、自分が多少犠牲になっても他人を助けるっていうか…』



俺がAの話を始めると、お母さんは俺の話に耳を傾けた。



『Aはお母さんを悲しませるくらいなら、俺との別れを選ぶと思います。だから、俺はお母さんが納得してくれるまで何度でも来ます。』



俺の気持ちを素直にぶつけると、



母「岳君はこんな子のどこが気に入ったの?」



お母さんはボソッと呟くように言った。



『Aは似てるんです…俺が昔、間違えて踏んづけちゃったけど、負けずに立ち上って来たハマナスの花に・・・』



お母さんは、俺の話を黙って聞いてくれた。



『あの花のように、負けずに立ち上って進むAに俺はずっとそばに居て欲しいんです。』



母「分かったわ・・・岳君、Aをよろしくお願いします。」



『はい、大事にします!』



俺はお母さんにAを大事にするって誓った。

柴崎家の笑顔の中に→←雪の深々と降る中、小さな車の中で



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作者名:モニカ | 作成日時:2016年2月6日 20時

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