裏・ハマナスは潮風に吹かれ咲く (ページ26)

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誤解ページ26

ラウンジのコーヒーサーバーでコーヒーを淹れ、

ラウンジのソファーに深く腰掛けた。

コーヒーをひと口すすると、同僚のパクがやってきた。

パク＜見たぞ、テレサと楽しそうにトレーニングしてだろう＞

ニヤつきながら、俺の隣に座った。

≪別に…自主練のメニュー作ってもらっただけだから…≫

パク＜トレーナーは他にもいるじゃん。＞

確かに他にもいるけど、指名したわけじゃないし、

コーチに言ったら、担当しに来てくれたのがたまたまテレサだっただけだし、

いろいろ反論はあるけど、言葉も上手く喋れないし無視しようと思ったけど、

パク＜岳は彼女もいないし、夜のお相手探してるんだろう(笑)＞

マジ、うぜぇ・・・

♪～着信音

助かった・・・

これで、こいつをスルーできる。

着信はAからだった。

その頃には、Aの事をイラついていたのをすっかり忘れていた。

『どうした？』
「うん・・・今、東京駅・・・帰るところ。」

時計を見るとラインが来てから3時間ほど経っていた。

「今、大丈夫？」
『あぁ。今、クラブハウスで昼飯食べて、ラウンジで休憩中。』

Aが俺に気を使ってるような感じで…

だよな…さっきのラインのやりとり…

大人げなかったな。

Aを信じてないわけないし…

Aは仕事って言ってるのに…

普通にお仕事でトレーニングしてただけなのに、俺だってパクに茶化された。

俺の事想って電話してくれたAに本当にごめんって素直に思った。

『晩飯・・・どうだった。』

できるだけ、普通な感じで、2人の間のわだかまりを解きたかった。

「私・・・春に、ドイツ行くから・・・」

だけど、携帯から聞こえるたAの言葉は意外なもので…

『何？出張？』

何だ、やっぱり仕事の話だった。しかもドイツに出張って！

俺のテンションが上がる。

だけど、次にAの口から発せられた言葉に自分の耳を疑った。

「ううん。仕事、辞めて、岳の傍に行きたいの・・・」

仕事辞めて！！

ドイツ来る！？

俺は訳が分からなかった。