公子の妹【原神】

23話 ページ24

ガチャ、と扉の方から空くんとパイモンちゃんが来た時、私はハッと自分が何を話したかったかを思い出した


『うぅ〜…ごめんディルック、忙しいのにすっごい無駄なこと話してた…』


ちゃっかり貰ったブドウジュースを握りながら肩を落とす私に、パイモンちゃんはなんだなんだと近寄ってきてくれた


パイモン「おい、そんな美味しいもん飲みながら出す空気感じゃないぞ！

もっと明るく！美味しいことを体全身で表現したらそうなるんだぞ！」


少し怒り気味に言ってきたパイモンちゃんに、そうだよね、とは言うものの、ディルックがどんなに忙しい身か分かっているくせに、と私は完全ネガティヴモードへ突入していた


そんな時、頭にまた温かい手が乗ってきて、彼は言葉をかけてくれる


ディルック「無駄な物ではない、君のことを妹のように思っていた僕からすれば、君がこんなに幸せで楽しいと語ってくれる時間は重要だ

僕にとってもいい休み時間になった、だからあまり気にするな」


少しぶっきらぼうにも聞こえるけど、ディルックの優しさが溢れ出ていて私は泣きそうになった


パイモン「Aのお兄ちゃんが公子じゃなくてディルックでも納得できるぐらい、仲がいいんだな！

オイラもAの冒険談聞きたかったぞ」


空「仲良いことは良いことだよ、ディルックもそう言ってるんだし

あんまり気に留めなくていいんじゃない？」


『うぅ……ありがとう……

ディルック、今度はディルックのお話聞かせてね！

私も、ディルックのお話聞くのすっごく楽しみにしてるから！』


そう言うとディルックは少しだけ微笑んで、あぁ、と返事をしてくれた


パイモン「…あぁ！もう我慢ならない……オイラもブドウジュースが欲しいんだぞ！！」








ディルックに聞きたかった、今度のブリュー祭への参加についてのことは、ディルックがいい情報を教えてくれたので助かった


それに、また璃月へ帰る私に、ブドウジュースとワインを持たせてくれた


そこまでしなくても、と断ろうと思ったが、足りなかったか、と聞いてくるディルックを前に断ることができなかった


今度のブリュー祭でお酒や、ジュースを買うと決めたことはもちろん


クレーちゃんやウェンティなどの友達に会うのもブリュー祭かな、と1人心躍らせながら帰る道のりはとても短かった

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