寒暖差アレルギー (ym ar × in

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幸せそうな顔で笑う自分と
その隣にいる彼___“本物の”大ちゃん


写真を見て、最初に思ったのは“幸せそうだな”ってこと。


しんみり泣いている俺は
心のどこかで、まだ他人事のように感じているのかもしれない。

きっとサプライズ、きっと大ちゃんの悪ふざけ


でも、違う。
目の前にいる彼と、写真の中の大ちゃんは
全くの別人だった。

顔の系統、目、鼻、口、輪郭や髪型
身に纏っているオーラまで。

全部、全部。


“大ちゃん”と聞いて
山田さんのような顔の系統であることを想像していた俺は

大ちゃんの存在自体が、何なのか
わからくなりそうだった。


クールな顔立ちで、きらきら笑う大ちゃん。
童顔で、にこにこしてて、目尻にシワができる大ちゃん。





___”……思い出した?“


ゆっくりと首を横に振る

悲しんでいるような、
でもどこか安心しているような山田さんの顔。



…ただ、写真を見て2つ、わかったこと。



___“幸せだった” ”大好きだった“




何にもわからないし、何にも思い出せないけど


胸に広がる充実感という暖かさが
じわじわ、と広がっていった。


頭では忘れてしまっても、体は彼を覚えている。
高鳴る鼓動に、嘘はつけない。

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